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Nasty Nasty / BLACK 'N BLUE
火薬バカ一代 ★★★ (2019-03-10 23:10:58)
前作『WITHOUT LOVE』(’85年)で組んだブルース・フェアバーンが、BON JOVIと共に成功の階段を猛然と駆け上がる光景を見送りつつ、今度はKISSのジーン・シモンズをプロデューサーに起用してBLACK’ N BLUEが'86年に発表した3rdアルバム。
LAメタル・ムーブメントの中核を担うバンドの一つでありながら、なかなかブレイクの切っ掛けを掴めない焦りやプレッシャーが、当時の彼らになかったわけはないと思うのですが、さりとてここで聴くことが出来るサウンドには、バラードを演ってみたり、Keyのフィーチュア度を高めて売れ線に走ってみたりといった小細工は一切なし。まぁ中にはジョナサン・ケイン(JOURNEY)提供のポップでメロディアスな⑥のような異色曲もあったりしますが――でも良い曲ですよ――、元気溌剌なジェイミー・セント・ジェイムズのシャウトVo、躍動感溢れるトミー・セイヤーのG、分厚くボトムを支えるリズム隊とがストレートに攻めてくる、ノーギミックで抜けの良いアメリカンHM路線を徹底する姿勢には好感を持たずにはいられませんて。重厚なアルバム表題曲①、重々しくもキャッチーでアンセミックな②、LAメタルらしいボーカル・ハーモニーを活かした③といったミッド・チューンでじっくりと雰囲気を盛り上げて、ハード・ドライヴィンなスピード・チューン④で一気にアクセルを床まで踏み抜く構成には、メラメラとメタル魂が燃え上がります。ジーンの手掛けた、ボトムの効いたソリッドな音作りもバッチリこの作風にハマっていますよ。(トミー・セイヤーは今ではKISSのメンバーになってしまいましたねぇ)
ぼちぼちBLACK’N BLUEのカタログは国内盤を再発して欲しいところなのですが…。

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