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Vicious Game / TALON
失恋船長 ★★★ (2019-03-13 20:48:03)
ジャーマンメタルバンドTALONが勝負を掛けた3rd。リリース時期は1986年、専任シンガーも加入させ隆盛を極めつつあるメタルシーンへと打って出たのは、JP譲りのオーセンティックなメタルサウンド。
キーボードも裏で鳴り響き、間口を広げ派手さも加味されたサウンドと懐かしきHM/HRサウンド。シンガーもリーダであり、以前はギターと兼任だったウベェとまるっきり違う声質ではないので、過去の作品と向き合っても遜色はないだろう。むしろロブ・ハルフォード的なシンガーを迎え、脱NWOBHM路線を打ち出し、当時のJPを模倣したようなメジャー風味の正統派HM/HRサウンドで勝負を仕掛けてきた印象が強い。その為に、初期の頃の灰汁が薄まったため、マニアとしては寂しい気持にもさせるのだろうが、アルバム毎にモデルチェンジを遂げたバンドだけに、この路線への方向転換に違和感はない。
勢い重視からの脱却、楽曲中心の作りだが、どこか洗練されない田舎臭さが独特の空気を生んでいるのが聴きどころ。個人的には、慣れ親しんだ世界観で何とも懐かしい気分にさせてくれる一枚。ラジオ&MTV向け過ぎないが、適度に売れたいと願う大衆性を意識した80年代中期らしい音に収まっているのがポイントです。

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