この曲を聴け! 

大行進 / 凱旋MARCH
火薬バカ一代 ★★★ (2019-03-24 21:35:49)
雑誌等でデモテープが高評価を得ていたにも関わらず、メンバーの脱退が相次ぎ解散を余儀なくされたBRAVE BOMBER。「音を聴いてみたかった…」と残念がってたら、リーダーの齋藤正寿(Vo)を中心に新たに凱旋MARCHとしてリ・スタートを切ってくれました。本作はデビューEP(’98年)に続き、'03年に満を持して発表された1stアルバム。
音楽性は齋藤の野太く男臭いVoを軸に、好戦的且つパワフルに刻まれるリフ&リズム、重厚な地響きコーラスとが火の玉となって突き進む非常にオス度の高いパワー・メタル。昔ならACCEPTや2nd~3rd期のMANOWAR、今だったらエピック・バトル・メタル勢を引き合いに出して語りたくなるスタイルなれど、それを軍歌風味で料理してみせたのが、欧米のバンドとは異なる凱旋MARCHならではの強烈な個性になっています。
勇壮な曲調やメロディから「軍歌メタル」とも評された…と書くと、イデオロギー論争喧しい昨今「右翼バンドなの?」と誤解されそうですが、本作において彼らが歌い上げているのは他者への攻撃等ではなく、ストイックに己を律し聴く者を鼓舞せんとする応援団的姿勢。「軍歌メタル」というカテゴライズに眉を顰める向きには「男塾メタル」としてお薦めする次第。
オッス!オッス!と猛々しく突進するスピード・ナンバー③④⑨、聴いているだけで筋肉が鍛えられるような錯覚を覚える⑤、大仰且つ怒涛の盛り上がりを呈する⑥、あるいはバンドのテーマ曲で10分越えの大作⑩といった闘魂荒ぶる楽曲の数々を前にすると、70分オーバーという胃もたれ起こしそうな収録時間すらも「このやり過ぎ感こそが魅力よ…」とポジティブに評価したくなってしまうのだから不思議です。押忍!

→同意