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Toolbox / IAN GILLAN
火薬バカ一代 ★★★ (2019-04-10 00:14:08)
イアン・ギラン再評価の機運が高まっていた時期でさえ、DEEP PURPLEの迷作『紫の聖戦』の直前に発表されている本作にはなかなか手が伸びなかったというのが正直なところ。しかしギラン本人の自信に満ちたご尊顔が鎮座ましますジャケットには久々に「GILLAN」のロゴマークが復活していますし、参加メンバーは、日本では後にHEARTLANDでの活動で人気を博すスティーヴ・モリス(G)、元STARSHIPのブレット・ブルームフィールド(B)、そしてドラマーは何とY&Tのレオナード・ヘイズとな。これが決め手となり購入を決意してみれば、期待通り(参加面子の顔触れに見合った)大変素晴らしい内容だったという。
貢献度の高さでは群を抜くスティーヴがセンスフルなGプレイを滑らかに閃かせ、リズム隊がエッジと疾走感を注入する楽曲を得て、主役たるギランが気合の入ったシャウトを随所で炸裂させまくっているのですから、これ以上何を望むことがありましょうか。ノリノリの曲調に切れ味鋭いGが緊張感を加味する②、アルバムのハイライトにしてGILLAN屈指の名曲と言える疾走ナンバー④、重厚で劇的な⑤といった、ギランのハイトーンが映える楽曲の数々を聴けば聴くほど、つくづくこの後の『紫の聖戦』における出涸らしみたいな歌唱は一体何だったのか?と。やっぱりアレは加齢による衰えよりも本人のやる気に起因するものだったんだなぁと。(今じゃ一周回って大好きになってしまいましたけどね>紫の聖戦)
後半ややテンションが落ちるのが玉に瑕とはいえ、全盛期に発表された傑作群にだって引けを取らない充実作。「GILLAN作品にハズレなし」の法則を再確認させて頂きました。

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