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The Vision Pit / Landmarq
火薬バカ一代 ★★★ (2019-04-14 09:18:06)
元QUASARのデイヴ・ワグスタッフ(Ds)とウヴェ・D・ローズ(G)を中心に'90年に活動を開始。結成30年を越えて未だ活動中の英国出身ベテラン・プログレッシブ・ロック・バンドが、’95年にSI MUSICから発表したこちらは3rdアルバムにあたる作品。
前作『SOLITARY WITNESS』(’94年)の国内盤は我らがゼロ・コーポレーションからの発売でしたが、今回はアポロンからのリリース。ちなみに1stから歌っていて、カール・グルーム率いるTHRESHOLDや、アンソニー・ルカッセンが立ち上げたロック・オペラ・プロジェクトAYREON等への参加で知られる実力派シンガー、ダミアン・ウィルソンはこれがLANDMARQのメンバーとしてはラスト・アルバムになりました。
SI MUSIC物は一定以上の質の高さは約束されている一方で、やや刺激に乏しく眠気を誘われてしまう作品も少なくないのですが、本作に関してはメロディがキャッチー、またTHRESHOLD程ではないにしろ、エッジの立ったGが明瞭に楽曲の輪郭を描き出し、曲展開にもメリハリが効いているので、メタル者にも十分アピールし得る仕上がり。何より、憂いに満ちたエモーショナルな歌声で、楽曲の魅力と作品全体のダイナミズムを底上げするダミアンのVoがやはり強力。逆に生粋のプログレ・マニアからは「これもうプログレじゃくてメロハーじゃね?」との指摘を受けているそうなのですが…。
個人的には、プログレッシブ・ロック然とした10分越えの大作ナンバーよりも、比較的コンパクト且つハードにまとめ上げられたOPナンバー①のような楽曲に心惹かれた次第。
ともあれ「ダミアン・ウィルソンの名前は憶えて帰ってね!」とお願いしたくなる1枚であることは間違いありません。

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