この曲を聴け!
Made in Germany / AXEL RUDI PELL
火薬バカ一代 ★★★ (2019-04-25 00:07:33)
ソロ・デビュー以来、一貫してRAINBOWにルーツを置く様式美HMサウンドを追求し続けてきたアクセル・ルディ・ペル、'95年発表の初の実況録音盤。当時の最新作『BETWEEN THE WALL』リリースに伴う母国ドイツで行ったライブの模様を収録しています。
キャリア初期とはいえ既に名曲を山ほど抱えている彼らゆえ、全8曲というボリュームではやはり少々物足りなく、他人のカヴァー③を演っとる場合か?と思わなくもありませんが、(アルバム・タイトル含めて)これも偏にアクセルの抑えきれないブラックモア愛の発露だと思えば微笑ましく許容できるというものですよ。
前任Vo時代の楽曲も余裕綽々で歌いこなし、堂々たるフロントマンぶりで場を盛り上げるジェフ・スコット・ソートといい、スタジオ版以上のエネルギーを楽曲に注入するヨルグ・マイケルのドラミングといい、腕利き揃いのメンバーのパフォーマンスは高め安定な上、こうして聴くとやはり主役たるアクセルのコンポーザーとしてのセンスが抜群だなぁと。例えば開幕をアグレッシブに宣言する疾走曲①、あるいは“STARGAZER”風味の劇的な大作⑥等、収録曲の数々はシンプルに様式美HMナンバーとしてのカッコ良さを提示するだけでなく、観客の合唱やコール&レスポンスを誘発するよう、実戦映えまで考慮に入れて作曲されていることがライブで聴くとハッキリと伝わってきて感心しきり。ライブの最後を〆るのが未発表曲⑧って正気を疑わざるを得ませんが、これがキャッチーでノリのいい曲調ですぐに観衆の心を掴み、会場を大いに盛り上げているのですから大したもの。
彼らのライブ・バンドとしての実力と、母国での人気ぶりが十二分に伝わる1枚です。
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