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Tales of Rock 'n' Roll: Twenty-Five Years Celebration / MICHAEL SCHENKER GROUP
失恋船長 ★★ (2019-04-26 12:33:27)
MICHAEL SCHENKER FESTでの活動が、思いのほか盛況ぶりを見せているマイケル。北米ツアーも行いタイトなスケジュールをこなしているというのだから心身ともに充実しているのでしょうね。
その前からパートナーたるメンバーを流動的なものと捉え、作品前に色んなクレジットが存在していた。そのおかげで最近のマイケルの軸となるバンドはどれなんだろうとなるのだが、それもこれも歴代メンバーが揃うMICHAEL SCHENKER FESTへの流れと言う事なのだろう。そう思うと妙に納得します。
今作は25周年を祝うアルバムとなりましたが、19曲で60分を切る内容に聴く前は?マークでしたが、聴いて驚きです。曲間を無くし、矢継ぎ早の曲が始まる構成、エンディングの余韻に浸ることも、高揚感を味わうイントロもあまりなく始まるのが評価を分ける最大のポイントでしょう。

曲単位の出来はけして低くないのだが、似たような曲調のミドルナンバーが中心となると、同じ景色を除く都心部の車窓のように味気ないものに映り込み、緊張感が殺がれるだろう。
ライブでは全ての時代を完全にフォローしたヤリ・ティウラのパフォーマンスも生かし切れていないように感じてしまうのも難点。マイケルらしいフレーズもあったりするのだが、気持ちの整理がつかないままに進んでいく。

そんな中で③ではリーフ・スンディンが④ではクリス・ローガン、⑧はケリー・キーリングと最近のマイケルと共演したシンガーがゲスト参加で華を添えるアイデアは悪くない、そして最大のハイライトとなる⑯ゲイリー・バーテン⑰グラハム・ボネット⑱ロビン・マッコリーが順番に登場する展開は、強烈なインパクトを残しアルバム最大の見せ場が訪れるのだが、そこまでテンションを維持できるかが問題だ。もう少し楽曲に深みを残し、参加メンバーの旨味を凝縮して欲しかったと何度聴いても思いますね。

今作を改めて聴き、これがMICHAEL SCHENKER FESTの叩き台になったのは間違いないと推察出来る。そういう意味では重要な一枚であろう。なんだかんだ言っても楽しめるのがマイケル関連作品なんですよね。

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