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The Revölution by Night / BLUE OYSTER CULT
失恋船長 ★★★ (2019-06-09 15:39:35)
MTVへの移行など1983年と言うロックシーンの過渡期にリリースされた一品。新たなる戦略を立ち上げたのかバンドは、カナダのPRISMやLOVERBOYの仕事で知られる新進気鋭の若手プロデューサー、ブルース・フェバーンに次なる方針を委ねる形へとなったのか、今まで以上にメロディアスかつAOR調のソフトケイスされたサウンドは、従来のイメージからは離れたものになるのだろうが、個人的には、オープニングナンバー一つとっても、このバンドにしか出せない雰囲気に満ち溢れており、AOR調に染め上げても、隠しきれないミステリアスさが顔を出しているのがポイント。アルバム全体を通しての即効性はないが、その反面、統一感に優れている為に、アルバム単位で聴いてもダレる事無く彼らが提示したストーリーを最堪能出来る力作へと仕上がっています。
ここまでソフトになっているのに、彼らの流儀の神秘性やオカルティックさを感じさせる知性が存在しているのが凄い、とにかく騒げれば良い、速い曲が聴きたいと言った方には不向きなバンドだが、耳以外にも頭で楽しませてくれるというが今作最大の聴きどころでしょう。
今作は商業的には今一つの成果に終わった為に、バンドは更なる進化を求め『CLUB NINJA』をリリースするも惨敗。やはりドラムのアルバートを失った辺りから不穏な空気が流れていたのかも知れない。根拠はないのですが1988年リリースの『IMAGINOS』を聴くとそんな風に感じてしまいます。

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