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Lovin' Hittin' Scratchin' / ELIZA
失恋船長 ★★ (2019-07-14 17:42:59)
ド派手なルックスに負けない、親しみやすいアメリカンサウンドと泣かせの欧州テイストを織り交ぜた本格派のサウンドがうりのバンドだった北海道の勇者。今作は1990年にリリースされたフルアルバム。
音楽性としてはマイルドでライトな要素が増え、シャープで小気味の良い疾走感や攻撃性を抑え、親しみやすさを増量してきた。その為に、今まで以上にJ-ROCK度が強まり、チョイとしたハズさも倍増と微妙な空気を生み出している。その空気感を膨らますのが、唄を前に出したペラペラのミックス、これじゃあドラムの小寺さんもベースの小鴨さんも浮かばれないよと思いつつも、コンパクトな楽曲と持ち前のノリを良さを生かして最後まで聴かせる手腕は持っているだけに、バランス的にも不可解なミックスに難を示してしまいます。
折角のCD音源なのだからお金も時間もかけて欲しかったなぁと、愛着のあるバンドだけについつい厳しい言葉も飛び出しますが、メロディもハッキリしている、ハマった時のスケールの大きさなど可能性を確実に感じさせるバンドだけに、これでは印象に残りづらいですよと、やっぱり悔しい気持ちが先に来てしまいます。良く聴けば、このバンドらしい叙情性もあり、軽くなったが持ち味を生かしているだけに残念です。また、本来であれば取り直したいようなパートもあったりするので尚更である。

北海道を代表するバンドとしてのチャレンジ精神というか挑戦者としての戦い方を捨て、妙に守りに入ったように映るのが最大のポイントだろう。インディーズの体臭が染みつきすぎたと言えばそれまでだが、バラエティに富んだ楽曲を揃えているのに一本調子に聴こえてしますのがマイナスです。と散々、悪態をつきましたが、それもこれも愛するが故と言う事でお許しください。アメリカンなのに、どこか濡れている。そのワビサビのあるサウンドに今でも引き寄せられるマニアの一人ですのでね。今作も機会があれば是非とも再発してください。

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