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The Seventh One / TOTO
名無し ★★★ (2019-07-22 01:45:29)
全体的にポップよりでシンセの音色がかなり響きわたるが、演奏こそスティーヴ・ポーカロのシンセだけどやっぱりファーレンファイトで脱退してしまっている以上、音がスティーヴの音じゃない。ライブのときに隅っこで踊りまくるスティーヴがすごく窮屈そうに譜面を演奏している感じ。もちろんペイチたちの音もすばらしいけれど、もしこのアルバムにもスティーヴが音作りの段階から本格参戦できていればもっともっと素晴らしい、というか楽しいアルバムになったのかなぁ、とか思う。
実際、TOTOの音楽の方向性自体はペイチとルカサー(と初期はキンボール)でハードロックとAORとバラードのバランスのとれた美しいものだけど、それにゴージャスに奥深い飾り付けをして魅力的にしているのは、スティーヴとジョセフ(とレニー・キャストロ)の煌びやかな魔法だと思うし、次作のKoDから商業的にも落ちていくことになったのは、やっぱりこの3人が(ほとんど)関与しなくなって、ルカサーの悪い面(それまではこれをスティーヴが見事に中和していた)が全面に出てきちゃったところなのかな、と思ってる。
個人的にはTambuとかMindfieldsとかのあたりも成熟した感じがして好きだけど、実際スティーヴとジョセフの復活したXIVはHoly War, Fortune, All The Tears That Shine, Chinatownはじめとして、7thまでのころの爽やかに重厚な感じがよみがえっているし、最新のOld is NewだとDevil's Towerは正直Totoの中でもAfricaやRosannaとも張り合えるとんでもない名曲に仕上がったと思う。
ルカサーの自伝によると脳腫瘍の治療のためにスティーヴは片耳の聴力を失っているらしいけど、今後も健康に気をつけてTotoを陰から煌びやかに支えるすごい人であり続けてほしい!