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Court in the Act / SATAN
火薬バカ一代 ★★★ (2019-08-20 00:04:30)
NWOBHMを語る上で欠かすことの出来ない名作の一つと誉れ高い、SATANが'83年に発表した1stアルバム。一度は聴いてみたいと思っていたもののCD化されたのは結構遅く、BLIND GUARDIANが“TRYAL BY FIRE”をカヴァーしたりして再評価の機運が高まった90年代に入ってから漸く実現。当初の感想は「音、悪っ」と(苦笑)。数年前に紙ジャケ/SHM-CD仕様で再発された際にも買い直してみたのですが、元が由緒正しきNEAT RECORDS謹製だけに、リマスターによる恩恵はあんまり感じられなかったり…。
とはいえ、収録楽曲の数々はやはり極上。特にミステリアスなイントロ①を導入部に劇的に炸裂する②は名曲中の名曲で、後のスラッシュ・メタル誕生にも大きなインスピレーションを授けたとされる、「NWOBHM界隈の翼君と岬君」ことスティーヴ・ラムゼイ&ラス・ティッピンズのゴールデン・コンビが阿吽の呼吸から繰り出す特異なリフ・ワーク、せかせかと忙しなく疾駆するリズム、ブライアン・ロスのニヒルなヘタウマVoといった、今に至るもSATANサウンドの美点として輝き続ける要素がここには凝縮されています。
昔はこの名曲のインパクトがデカ過ぎるせいで後続の楽曲の印象が完全に吹っ飛んでしまっていたのですが、緩急の効いた曲展開が技ありな③あり、ドラマティックに本編を〆る⑩ありと、現在では本編に捨て曲はないとの認識でファイナル・アンサー(ボーナストラック⑪⑫もまた美味)。2本のGがスピーディに絡み合いながら劇的に昇り詰めていく⑤のクールさなんて「ヘイルSATAN!」と悪魔主義者ばりに万歳三唱するレベルですよ。
色合いの美しいアートワーク含めNWOBHM屈指の名盤との評価に偽りなしな1枚。

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