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Triumphant Return / WHITECROSS
火薬バカ一代 ★★ (2019-09-01 00:13:22)
レックス・キャロルのバカテク・ギタリストぶりが一部マニアの間で注目を集めた、イリノイ州出身のクリスチャン・メタル・バンド、'89年発表の3rdアルバム(ついでにリアル・タイムでの日本デビュー作じゃなかったか)。本国アメリカよりもヨーロッパでの人気の方が高かったようで、ドイツのGAMMA RECORDSと契約を交わし、日本盤はテイチクのMETAL MANIAからのリリースでした。
尤も、メロディに欧州風味の翳りやドラマ性の類は希薄であり、ついでに言うとSTRYPERっぽくもない。初期はRATT、DOKKENを思わせるポップ・メタルを、90年代以降はそこにブルージーなテイストをブッ込んだりと、その時々のHR/HMシーンの流行に目端を利かせた、節操のない…もとい、機を見るに敏なサウンドを披露していた彼らですが、本作においてはカラッと明るいアメリカンHMを溌剌とプレイ。このバンドに終始付き纏う「決め手に欠ける」という弱点は相変わらずながら、重厚なプロダクションを得て(プロデュースはバンド自身が担当)、安定感を増したスコット・ウェンゼルの歌唱と、テクニカル且つアグレッシブに咲き誇るレックスのGプレイにも支えられて、ビルボード・チャート上位を騒がせたって不思議じゃないヒット・ポテンシャルを感じさせるバラード⑤、あるいは仄かな哀愁が薫るミッド・チューン④等、曲作りの腕前は益々洗練されて来ています。
前2作に比べ、音作りも楽曲もグッとヘヴィ・メタリックに引き締まった本作が、個人的にはWHITECROSSのカタログの中でもベストな1枚に挙げたくなるぐらいお気に入りだったりします。

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