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誰かが殺した日々(never Forget Those Days) / JURASSIC JADE
失恋船長 ★★★ (2019-09-20 12:54:18)
日本はおろか海外を見渡しても異彩を放つ国産スラッシャーの2nd。今作ではプロデューサーにDOOMの藤田を迎えた事により、今までの直線的なスラッシュサウンドに幅を持たせる事に成功。バンドのやりたかった事を具現化したと言えるのだが、新しいアイデアは、単なる好奇心を満たすためだけの楽曲ではなく、アルバムを通して聴くと重要なパーツとなる機能、新たなる魅力を散りばめた事により、アルバムに大きな起伏を作る事に成功した。黒い童話や禁断少女の導入は大正解と言えるだろう。

狂気を孕んだHIZUMIの咆哮、彼女のアジテーションヴォイスは聴き手の感性に鋭い刃を突き立てるでしょうね。リフワークも前作よりは柔軟さが芽生え、キャッチーさが全体を包んでいるのが印象的。SLAYERスタイルからの脱却。それでも十分に初期のカラーを残していると感じるのが今作の特徴。金看板を守りつつも、新しい事を取り込み、不自然さを感じさせなかったのは、バンドの思惑とプロデュース力が合致したからだと推察出来る。

それにしても音そのものにえげつないくらいに恐怖を感じる、このド迫力のヘヴィネスサウンドは聴き手の感性を思いっきり蹂躙していく、素をさらけ出して聴けないコチラが罪人になったように感じてします。ヤバいものに取り込まれた共犯関係、危険極まりないバイオレントな作風は常にチャレンジすることを恐れない現在進行形の彼等だから成し得たのだろう。

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