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Brotherhood of the Snake / TESTAMENT
失恋船長 ★★★ (2019-10-01 21:51:36)
このバンドの90年代に入り苦戦を強いられた、2000年以降もモダンさとへヴィネスさの強調など、らしさを失っていた感はあったのだが、前作辺りからシーンの懐古主義にも助けられ完全に吹っ切れた印象が強い。紆余曲折を経て完全にバンドの元に戻ってきたエリック・ピーターソン、アレックス・スコルニックス、チャック・ビリーの三人による一糸乱れぬ屈強なスクラムを組むように、意思疎通が図られているように感じる。その三頭政治の復権と言うのか?盤石な体制がバンドサウンドを牽引、単に昔のスタイルに戻るのではなく、普遍的なメタルへのアプローチをとりつつも(①のACCEPT風味に驚いた)らしさ全開のベイエリアサウンドに唸りましたね。

へヴィメタルサウンド特有のアグレッションとドラマ性を純粋培養、テクニカルな要素をふんだんに盛り込み、現代的な精神性の元に古典メタルをブっ込んできた。古さを感じさせないフレッシュ感に何度聴いても驚かされる。名手ジーン・ホグランの相方にスティーヴ・ディジョルジオが復活しているのもチョイとした話題だろう。

豪放磊落なチャックの唄が稲光を放ち暴れ倒す、驚異的な演奏力を束ねるが如き存在感に恐れ入りますね。
勇猛果敢に突撃する演奏陣の結束力の強さも見逃せない。そして生々しい人間的な血の通い方がエグイのだ。この手のサウンドにありがちな機械的な演奏とは無縁の人間力の強さが音に表れている。このダイナミックさを生み出せるバンド内にあるケミストリー、今が一番脂が乗っているのだろう。古くて新しいスラッシュサウンドの復活です。

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