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Locked & Loaded / MOLLY HATCHET
火薬バカ一代 ★★★ (2019-10-04 00:36:28)
オリジナル・メンバーが一人もいなくなろうとも、燃え盛る南部魂を胸に活動を継続するMOLLY HATCHETが、WAKEN OPEN AIRを始めとするドイツ各地で行った白熱のライブの模様をまとめ、'03年に発表した2枚組実況録音盤。
フラゼッタのジャケットを一目見て「MANOWARみたいな筋肉メタルを演ってるに違いない」と勢い込んで1stアルバムを購入し、流れ出して来た素朴なサザン・ロックに肩透かしを食った身とはいえ(今ならその良さも十分理解できるのですが)、本作に刻まれている、凡百のHR/HMバンドが尻まくって逃げ出すガッツとエネルギーが牙を剥くパフォーマンスには「痺れる」以外の選択肢はありません。ライブの開巻を告げるSEからしてPRETTY MAIDSやオジー・オズボーンでお馴染みのクラシックの超名曲“FORTUNA”ですよ。この劇的なOPだけでテンションは早くも最高潮に達してしまいます。早いな。
往年の名曲から近作の楽曲まで、バランス良く並べたセットリストで観客をエキサイトさせるライブは、軽快に踊るピアノ&ハーモニカに心浮き立つDISC-2③、砂塵舞う荒野を思わすDISC-2⑤、観客大合唱のDISC-2⑧、ライブの大団円を演出するヒット曲DISC-2⑪等、いかにもサザンロック然とした魅力を放つ楽曲の豪快さ/埃っぽさを際立たせる一方で、滅法男臭いVoの熱唱と、オヤジの哀愁背負うツインGの熱き情動の迸りも生々しく増強。殊に力強い曲調に憂いを帯びたメロディが載ったDISC-1⑩、2本のGが濃厚な泣きメロを涙腺に叩き込んでくるエピック・チューンDISC-2⑨⑩のカッコ良さは強力無比。
これ聴いてしまったら最後、一度でいいからライブを体験してみたくなること必定ですよ。入門盤にするなら、下手なベスト盤よりも本作をどうぞ。

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