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Hobbs' Angel of Death / HOBBS' ANGEL OF DEATH
失恋船長 ★★★ (2019-10-22 12:41:00)
最近、このバンドの主役たるピーター・ホブス氏の訃報を聴かされた。取り立て思い入れの強いアーティストでもないが、青春時代のワタクシに気合いを入れ続けてくれたスラッシュサウンド、その猛者たちに比肩するクオリティと、ファニーなキャラが魅力のピーターさん、2000年以降は本格的な復帰も果たしていただけに、残念ですね。やはり志半ばと言ったところなんだろうか?そういえば初来日の話を聴いたが、無理してでも見ておけば良かったなぁと、今更ながら悔恨です。

ジョージ吾妻氏から手厳しい批評を喰らい、日本では目が出なかったピーターさん、そんな批評を参考程度と理性的な判断が出来る方なら(どうどうと点数をつけると言うのは難しいですよ)ここで聴けるイーブルかつスピーディーな割と直球多めのスラッシュサウンドにグッと引き寄せられるでしょうね。皆さんが指摘するように初期SLAYERに通ずる音楽性の為に、やや類型的に感じるかも知れないが、欧州スタイルに通ずる情緒や、スピードで誤魔化さないドラマ性を加味した楽曲は、どれも聴き応え十分、その個性と模倣もしり上がりに練り上げられる印象もあり、聴き終えた後の満足感は、名もない食堂で大あたりのランチに出会った気分だ。

こうして時を経て耳を傾けると、彼がいかに真っ当なスタイルのへヴィメタルに取り組んでいたかを確認できる、硬質なリフワークにメロディックなソロ、鋼のへヴィグルーブを従え、獅子が咆哮すると言うスタイルは、ある意味メタルの基本と言えるでしょうね。初期衝動を擽る王道サウンドの旨味。昔、聴いていたよりも、最近の方がずっと魅力的に感じるというのは不思議なものです。

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