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今日の10曲
失恋船長 (2019-11-02 02:39:38)
『ハロウィーンなんでホラー系10選』

①映画『来る』
カッコ良くなった岡村隆史にしか見えない岡田准一、演技力でもカバーしきりれない不細工さが話題の実力派女優黒木華らがキャスティングされたホラー映画。正直、演者に興味は惹かれないが、この衝撃的だった原作を、名匠中島哲也がメガホンを取るというのが見たいと思った理由。
内容はぶっ飛んだ原作に恥じないエキセントリックな演出でグイグイと引っ張っていく、その吸引力のあるスピード感と演出の鋭さに、最後まで引き込まれたが、一度でもわき見をしたらついて行けないような構成に、ワタクシのような初老を迎えた、おっさんには少々キツイかもしれないが、視聴後に訪れるいい意味での疲労感も、この映画のエキサイトメントを証明したと言えよう。個人的に霊能者が出てくるだけでテンションが上がるというのもバイアスとなっているのかな?


②小説『ぼぎわんが、来る』
第22回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞した名作。映像化されるのもお約束だが、有名なキャストを揃えたというのが、原作に対する評価の表れだろう。イヤミス的な要素も孕みつつ、現代的な人間関係の描写、SNS中毒の馬鹿オヤジなどね典型的なヤツですよ。そういう人間達のリアルな語り口が素晴らしいので、迫りくる恐怖に慄ける、久しぶりにページをめくる指先に緊張が走った。ホラー好きなら手を出している人も多いのでしょうが、メガネの主人公が魔法学校ですったんもんだみたいな、しょーもない話は大嫌いだと思っている人は、本物のエンターテイメントを堪能出来る、今作は十分に楽しめると思いますよ。荒唐無稽とか言わないで向き合って欲しいね。ホラーってのは最強のエンタメですよ。ちなみに今作で大活躍する霊能者姉妹はシリーズ化となりました。

③『悪魔が来りて笛を吹く』
横溝ミステリーの名作をNHKが真正面から映像化。金田一役を、あの純君でお馴染みの吉岡秀隆が演じています。NHKのBSで放送された今作は、前作の『獄門島』のエンディングで、天銀堂事件の話があり、まさかと思ったら一年後に続編が放送されたというオシャレな展開がマニアとしては嬉しい演出でしたね。
原作の世界観を残しつつも、新しい要素を盛り込むが、豊田真由子ばりに「違うだろー」と叫びたくなるような、矛盾点や改悪はなく最後まで一気に見る事が出来る。子豚ちゃん界のスーパー美女、倉科カナが愛人役で出ていたのだが、田舎の女中役で、愛人顔No.1の橋本マナミがキャスティングされていた、演技力云々はいざ知らず、どう見ても逆だろうと思ったのは、ワタクシだけではないはずである。原作の世界観を壊さず、単になぞるだけではない制作サイドの本気度が、NHKの金田一シリーズにはある。そこが最大の見どころだ。先日放送された『八墓村』もギリギリ攻めてたぞ。ただ2時間の枠に収めたのは厳しいだろう。でも原作もスローテンポなので、尺を長くすれば良いわけではないので難しい問題だった。

④『オーディション』
鬼才三池崇史監督によるホラー映画。映画の製作会社の社長が、友人である業界関係者のススメで架空の映画のオーディションを行い、そこで再婚相手を見つけると言う話が、なんだかとても生々しい。原作は村上龍。初めて見た時は、本当に不気味で怖かった。謎の女性のリアル感、けして遠い存在ではないが、なかなか手が出しづらい空気のある女性というのがキャスティングの妙味だった。それとセリフの秀逸。キリキリキリキリってセリフがメチャクチャ怖いのよ。ゾッとするよ。目を背けたくなりますね。ただ、曖昧な表現により、こちらの想像力にお任せしますという映画が嫌いな人には向いていない。それと同時に眼鏡かけた男の子が箒にまたがり魔法戦争なんて、小学生の見るもんだろうと思う方なら十分に楽しめるでしょう。単なるお化け屋敷映画ではないので好奇心や知性を擽る。、少なくとも同時期に日本で話題になった原作の世界観を無視したTVからはいずり出てくるホラーの100万倍怖いのは間違いない。

⑤『湯殿山麓呪い村』
永島敏行主演の角川映画。大げさなタイトルに角川制作、なんとなくダメそうな空気が流れるミステリー映画。即身成仏にまつわる因果、その関係者が子孫累々と繋がり村の実権を握る、そこで行われる悪行の数々。面白そうな要素はあるのだが、なんだか生かし切れていない。やはりコンプライアンスの関係などで、陰惨でドロドロとしたエログロミステリーは描けなかったという事なのだろうか?
子供の頃に一度TVで見たきり、アマゾンプライムで見た時は、こんなんだったんだと、違う意味で楽しんだ。ロリコンマニアには仙道敦子は眩しいだろう。タイトルの仰々しさにつられ見たいと思う人もいるでしょう。でも、まさか犯人はあの人じゃないよねぇ…な映画であった。とくに事件解決に向かう30分は厳しいぞ。トリックも驚くぞ。それでも何度も見るのは、こういう陰惨なテーマがグッと刺さる。因果応報、入り組んだ人間関係を綿密に描ければ傑作になったであろう。


⑥DVD『水曜日のダウンタウンDVD記念すべき第10弾!』
他に類を見ない企画力で勝負するお笑い番組の決定版。とにかく攻めているので面白い。このTVでしかみれない名物キャラが多いのだが、今作はクロちゃんをフィーチャーした一枚。彼のリアルモンスターぶりに釘づけである。人がいるシリーズも大好きだ。ある意味、クロちゃんお行いはリアルホラーである。


⑦『ムカデ人間2』
前作も強烈なインパクトを残しました。低予算という事ですが、奇抜な発想とアイデアにより、ありそうでなかったテーマに真っ向からブチ当たり見事に映画として成立させました。本当に気持ち悪く、エログロナンセンスな破壊力満点の映画でした。知的な好奇心を煽りまくり、映画館でみた、その夜は興奮して眠れなかった。そんな傑作映画を凌ぐ続編が凄い。大概続編はパワーダウンするものだが、今作は、その難行を見事にクリアした。主役の太った小男に釘付け、彼をキャスティングした制作サイドの勝ちだ。


⑧『REC』
スペイン産のモキュメンタリーホラー映画。序盤のダラダラとした展開から一転、物語が始まれば一気に突っ走ります。アイデア勝負の目まぐるしい展開と映像。その迫力にグイグイと引き寄せられます。主人公の女性レポーターも絶妙なヒロインぶりを発揮、それが最後まで見れた要因だろう。

⑨『The Wicker Man』
ニコラス・ケイジがリメイク作に主演したこともありましたが、ここは1973年のオリジナルヴァージョンを見てもらいたい。とはいえディレクターズカット版など、複数あるのが困りものですが、これを見ようと思ったきっかけはアイアン・メイデンも唄っていたなぁであるが、それ以上に内容が実に後味の悪いものだった。
宗教絡みのダークな展開、ミュージカル風なのが逆に恐怖感を煽った印象を受けた。


⑩『八仙飯店之人肉饅頭』
香港発のカルトホラー。犯人役のアンソニー・ウォンの怪演ぶりに釘付け。それにしても殺した人間の肉を饅頭の具にするとはね、恐ろしやー。でも一番恐ろしいのは、自白を得る為に警察側が行うリンチの方が遥かに怖い。

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