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Rough Cutt / ROUGH CUTT
失恋船長 ★★★ (2019-11-29 14:00:27)
NIJI MUSICの力添えも有ったのか大手WANNERからリリースした1st。ウエンディ&ロニー夫妻のバックアップは大きく、曲作りなどのも関与したと言われているが、その辺りに②③とカヴァーソングが続く構成になったのだろう(③はオーストラリアのChoirboysのカヴァー)、ポール・ショーティノの新人離れした貫禄たっぷりの歌声は、オープニングナンバーから炸裂、ゆったりとしたリズムだが妙に癖になるリフと哀愁が漂うメロディは、このバンドの魅力を端的に告げるもの、若干の肩透かし感はあったが、曲そのものの魅力は個人的にRough Cuttと言えばこれと思うほど大好物です。
予想外のスタンダードなカヴァーソング②に面喰らったが、これがポールに良く似合う。もはやポールの持ち歌レベルの仕上がりに驚かされたまま、シンプルはポップロックの③に流れる展開は、ある意味勢いが足りない。次も素晴らしいバラードだが、一度も火が付く事無くクールダウンタイムと感じるのが、個人的にはマイナスだった。1985年と言えば、思春期真っ只中のワタクシにとっては、尚更そう感じましたね。このグループの音楽性に耳が追いついたのは、90年代に入ってから、それだけこのバンドは成熟した魅力と言うのを持ち合わせていた。
突出したプレイヤーがいないと言われがちだが、ポールを支えるバックのメンバーも活きのいい演奏をブチ込んでいます。このバンドはポールの唄を中心とした作り込みに舵を切ったない過ぎない。それだけに、本格派過ぎたが故の、ある意味、早すぎたデビューとも言えそうだ。へヴィでダークな⑥が違和感なくハマるのも、このバンドの強み、アルバム一枚に多くのメッセージを残し可能性を秘めた、本格志向の優れた一枚。

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