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今週のアルバム10選
失恋船長 (2019-12-09 18:20:51)
『思い出の北欧メタル100選その③』


①Masquerade『Masquerade』
大衆性を纏った北欧サウンドが売りのバンド。聴き進めると少々似通った曲が多くダレるという評判も多かったが、先人たちからの影響を隠さない
王道スタイルは、いい意味で前向きに捉える事が出来るだろう。
クリアーなハイトーン、派手に弾くリードギター、キラキラ系のキーボードと、ワイルドなリズムプレイとツボをしっかりと押さえている。
ZEROコーポレーションだったなぁ。

②E.F. Band『Last Laugh Is on You』
1981年にリリースされたデビュー作。この時はトリオ編成だった。荒々しいサウンドはNWOBHMからの影響も大。
でもメロディの質など、粗めの音像の中でも北欧的だなぁと感じるのがポイント。そして紫色の血が流れているのが北欧なんだろう。
後に専任シンガーにオランダ人や英国人を迎え、早くからワールドワイドな展開を狙うバンドだった


③Mercyful Fate『Melissa』
キング・ダイアモンド氏の奇怪なファルセットに最初は面喰いましたね。でもそれ以上に引き寄せられたのは
背徳感マックスのダークファンタジーサウンドの凄味。無駄のない演出力に舌を巻くのだが
安直な発想で怖がらせようとかではない知的好奇心を満たしてくれる音。それでありながらもメタルという部分をないがしろにしない
押し引きの巧さに唸らされる。ヘヴィメタルというジャンルを代表する名盤中の名盤。


④Yngwie J. Malmsteen『Facing The Animal』
多国籍群なんで北欧括りは微妙なのだが、主役たるインギーが久しぶりに楽曲重視の作風に取り込んだ名盤。
マッツのハスキーでパワフルな歌声もネオクラサウンドにマッチ。その唄いっぷりはライブでも遜色ないものだった。
特筆すべきは、ソロはあれだが、ギターソロ前後の構成が素晴らしい。ブアーッと弾いて終わりではいのが最高に良かった。
プロデュースにクリス・タンガリーディスがドラムに巨匠コージー・パウエルの参加も話題。

⑤Tone Norum『ONE OF A KIND』
日本一権威ある雑誌から兄の七光アルバムと評された、ジョン・ノーラムの妹のソロアルバム。
北欧テイスト満載のハードポップサウンドは、ダンサンブルなビートに乗り瑞々しく弾けている。
バックのメンバーやプロデュースにヨーロッパのメンバーが全面参加と力の入れように、少々やり過ぎでニヤけてしまいますが、
健康的なポップロックの持つ陽性な部分と、主役たる彼女の健気に頑張る姿が上手くリンクしているので、
色眼鏡なく楽しめるかと思いますよ。


⑥TALISMAN『TALISMAN』
まさに北欧クリスタルサウンドが炸裂する貴重な一枚。実力派シンガーのジェフ・スコット・ソートのザラついたハスキーヴォイスもマッチ。
デモではヨラン・エドマンが唄っていたりと、インギー人脈が多いのもポイント。それもそのはずでベースのマルセル・ヤコブが実権を握るバンドですからね。
クリアーかつメロディックな北欧印満載のサウンド。そこに黒っぽいフィーリングを持ち込んだのは大正解だ。



⑦TNT『Tell No Tales』
彼らのカタログの中ではもっともハードなスタイルをとっているアルバム。トニー・ハーネルの存在は唄声のみならず音楽性にも多大なる影響を及ぼしているだろう。
北欧的でありながらワールドワイドな成功を勝ち取れる柔軟さが最大の聴きどころ。美しいメロディですなぁ。


⑧Silver Mountain『Shakin' Brains』
音質も良くないし演奏もヘロヘロな面も気になるが、猛烈なマイナー臭から発散される叙情性に、これぞ北欧サウンドだと言いたくなる。
今の若い人の進めるのは勇気もいるのだが、このいなたさがたまらん。そして様式美万歳と言えるヨナス・ハンソンのギターに咽び泣きます


⑨Da Vinci『Da Vinci』
最近、奇跡の復活を果たした北欧ハードポップバンドのデビュー作。甘酸っぱいひと夏の恋を想起させる胸キュン哀メロナンバーに悶絶。
爽やかな微炭酸ロックも北欧印満載と、多種多様なタイプでおもてなし。しかしZEROコーポレーションが紹介した時は既に実態がなかったのは痛かった。

⑩OZ『Fire In The Brain』
インディ系でありながらもアメリカのCombat Recordsからリリースされただけに我が国のマイナーマニアを狂喜乱舞された一枚。
そのパワフルに駆け抜けるメロディアスサウンドの持つ熱量は当時としてはハンパなかった。
勢いや粗さでけじゃない部分に目を向けているのもポイント。3分前後の曲が大半を占める構成も正解だった。

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