この曲を聴け! 

On the Edge / BB STEAL
火薬バカ一代 ★★★ (2019-12-12 00:26:08)
元BOSSのメンバーや、ヤング兄弟(AC/DC)の甥でもあるドラマーらにより結成されたオーストラリア出身の5人組が、PHONOGRAM RECORDSから'91年に発表した1stアルバム。
いきなりのメジャー・デビュー。DEF LEPPARDのフィル・コリンに見い出され、彼が全10曲中6曲のプロデュースを担当している等、話題性は十分だったにも関わらず今一つパッとした印象のないままフェードアウトしてしまったのは、音楽シーンが端境期を迎えていた’91年という登場時期が悪かったのか、はたまたNWOBHMのマイナー・バンドみたいなバンド名とチープなジャケットが足を引っ張ったせいか。
ミドル・テンポ主体の楽曲、声質がジョー・エリオット似のVoが歌う、適度に哀愁と透明感を漂わすポップなメロディ、キャッチーなサビメロ、それを分厚く包み込むボーカル・ハーモニーetc…と、本作で聴けるのはまさしく「オーストラリアのDEF LEPPARD」といった趣きのハードポップ・サウンド。OPナンバー①が少々埃っぽい落ち着いた曲調であるため(単体で聴けば良い曲)、立ち上がりスロー・スタート気味なのと、アルバムにこれといったキメ曲に欠けるため、強烈なインパクトを叩きつけられる類の作品ではないのですが、それでも収録曲の粒は揃っており聴くほどに味わいも増してきます。例えば立体的に舞うボーカル・ハーモニーが心地良い③、ライブ映えしそうな爽やかな④、HR的熱気も仄かに帯びて突き進む⑥等は、本家DEF LEPPARDだってそう易々とは書けないクオリティを有しているのではないかと。
今となっては顧みられる機会も少ない作品ですが、中古屋で安く見かけたら是非一度手に取って頂くことをお薦め致します。

→同意