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Screaming Blue Murder / GIRLSCHOOL
火薬バカ一代 ★★★ (2019-12-23 00:05:10)
先頃来日公演も敢行した、NWOBHMが誇るご長寿ガールズ・ロック・バンド…なんて書いたらケツを蹴っ飛ばされそうなGIRLSCHOOLが、Bをイーニッド・ウィリアムズからジレン“ジル”ウェストンにチェンジして'84年に発表した3rdフル・アルバム。
前2作の成功を糧に、更なる幅広いリスナー層へアピールするべくバラエティ豊かな曲作りが試みられている本作は、パンキッシュな炸裂感や疾走感を抑制。これまで無造作に撒き散らかされていたエネルギーに指向性を持たせて、整合性を高める方向に集約することで、HR然としたキャッチー&メロディアスな魅力の底上げが図られています。
明確に「叩きつける」よりも「聴かせる」ことを重視した仕上がりの楽曲は、破天荒さが薄まった分全体的に小粒な感は否めないものの、この完成度の高さには間違いなく唸らされるもの有り。本作をもって彼女たちがミュージシャンとして更なる成長を遂げたことは疑う余地がありませんよ。特に、身体を揺らすシンプルなノリの良さと、Gが奏でる一聴で耳を捉える印象的なメロディが散りばめられた⑥は、本作ならではの魅力を備えたメロディアスな名曲。そこから前作に収録されていても違和感のない疾走ナンバー⑦へと繋ぐ曲展開にも痺れさせて頂きました。あと一緒に歌わずにはいられないキャッチーさを備えたアルバム表題曲①も素晴らしいなぁと。
「アタイたちだっていつまでもムチャはやってられないのサ…」ってなスケ番グループからの卒業を匂わせる作風に一抹の寂しさを覚えつつも、そうした過渡期ならではの味わいがこれはこれで大変美味な1枚でもあるという。

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