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Sunset Warriors / Steel Crown
火薬バカ一代 ★★★ (2020-01-21 00:16:22)
HR/HMが音楽シーンのメインストリームへと浮上した’86年。多くのバンドが「洗練」目指して舵を切る最中にあって、メタルバブルとは100パー無縁なのが一目瞭然の貧相…もとい、手作り感溢れるアートワークのインパクトでマニアのハートをカツアゲした、イタリア出身の5人組のデビュー作。ちなみにこのジャケ絵、最初は脱力を誘われますが、ずっと見てると段々愛しさを覚えて来るから不思議ですよ。(え?覚えない?)
本作で聴かれるのは、Gリフでグイグイと押して来るNWOBHMからの濃厚な影響を伺わせる正統派HM。音質はチープで、Voも音痴。世紀末チックなアートワークと併せて、垢抜けなさのオーラがヒューマンガス様も怯むレベルでモワモワ立ち昇ってきます。しかし楽器陣の演奏はタイトでキレがあり、Voだって歌唱能力不足は擁護し難いものがありつつ、彼が歌う哀愁を孕んだメロディは結構魅力的なんですよ、これが。そして何よりテク/センス共にグンバツな輝きを放つギタリストの演奏こそがアルバムのハイライト。
忙しなく回転する曲調の中で劇的に組み上げられたソロが閃く②や、イントロがUFOの名曲“DOCTOR, DOCTOR”を彷彿とさせる⑥、バラード風の導入部からスピードアップして畳み掛けるNWOBHM然とした仕上がりの疾走ナンバー⑦といった楽曲を聴いていると、何故だか「イタリアのSILVER MOUNTAIN」との表現が脳裏を過って仕方がないという。
本国では名作として人気が高いらしいのも納得の1枚。しっかりCD化だってされていて、そちらは’89年発表のEP『NIGHT WALK』とのお得な2㏌1仕様。踏み絵替わりのジャケを見て、素敵なサムシング(byサトームセン)を感じた方にお薦め致します。

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