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Heart Attack / KROKUS
失恋船長 (2020-02-21 22:01:39)
ヘアメタル勢になびきグラムロックしたなとコアなファンからは見放されつつあったバンド。しかしビルボートチャートに100以内に入るなど、けして失敗したとは言えないのが切ない。今となっては痛し痒しな状況に陥っていると冷静に判断出来るのだが、リリース時の浮かれまくりのバブルメタルシーンに思いを馳せれば、多くのバンドが大なり小なり、やりに行っているので…なんだか懐かしい時代背景に思いを馳せ目を細めますね。BURRN的には、扱われなかったのかも知れないが、アメリカ的には売れており、Change of Addressはビルボードチャートの45位を記録、モデルチェンジは一定の成果を上げたと言えよう。今作のリリースがけして注目度は低いなどあり得ません。むしろ次の一手を狙いに行く重要な作品と位置付けています。

88年という機運の高まった中でこのバンドが手を出したのが継ぎ接ぎだらけのロックサウンド満載の今作です。AristaからMCAへの移籍もあり、売れなければのプレッシャーも相当高かったのでしょうが、ここまでトレースが横行するとモラルの問題を提起したくなるのが音楽を楽しむ者の倫理とでしょうね。リメイクもあるが、露骨なやつが多すぎて冷静になれないというのが大勢を決するでしょう…けどね。このバンド、かつてはAC/DC直系のハードサウンドを奏でており、個性なんてものがあったもんじゃない、むしろ、その路線を何の疑いもなく継承することに個性を見出していたようなバンド。それだけに、このやり口もクロークスならではと言えるのが、何とも不思議なバンドです。みんな集まれ借り物競争が許されるって凄いんです。
恐るべしクロークス。愛すべきクロークス。これがクロークス。久しぶりにフルに聴きましたがアッパレですよ。
名手マイケル・ワグナーのミキシングを受け、彼らが辿りついたのが80年代型メタルの集大成。この一枚で、あの時代の音楽性が分かる仕様にはなっていますが、個性は薄味です。

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