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Lucifer's Friend / LUCIFER'S FRIEND
失恋船長 ★★★ (2020-03-18 19:13:07)
ドイツのバンドに英国人シンガーのジョン・ロートンが加わりリリースされた記念すべき1st。(直前にAsterix名義でアルバムをリリース、おなじ1970年という仕様、しかもジョンの他にトニ・カヴァーナという二人のシンガーがいたバンドである)重厚なアンサンブルを従え唸りをあげるハモンドオルガンの音色。伸びやかで澄み切った声、魂を震わすジョンのエモーショナルヴォイスにひれ伏すのですが、多種多様なロックを巧みに料理、70年代初頭にここまで完成度の高いハードなロックサウンドを披露しているのに恐れ入る。初期衝動を擽るストレートなハードさと、アーティスティックな感性を刺激する色彩美豊かなロックサウンドの凄み、緻密な構成力を持ち合わせているのに難解に聴かせない絶妙なバランス感覚に唸らされる。

ハモンドオルガンとジョンの歌を中心に繰り広げられるハードロック一代絵巻、次のアルバムから色濃くなるプログレッシブな構成、その前哨戦のような楽曲も収録されたりと、アイデアを巧みに積み上げ無理無駄なく聴かせた手腕に、これまた唸らされます。70年代という自由な発想とアーティスティックな感性を支持された時代の賜物。幅広い層に支持されるように多様性を持ち込みつつも、有機的に絡み合うヘヴィロックサウンドの凄みに舌を巻きますね。これぞ70年代のロックでしょう。この歌と楽曲構成があるから後年、ジョンがヒープに引き抜かれたんだろうなと納得させられますね。欧州ならではの陰影のある叙情美がたまらん。

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