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Servus / BATHSHEBA
失恋船長 ★★★ (2020-04-08 19:11:44)
Serpentcultのシンガーだったミッシェル・ノコン擁するベルギー産ドゥームバンドが2017年にリリースした1st。このバンド2014年にはデモを世に出しており、彼らが母体のような形になるのか?掛け持ちだったのか分からないがDeath Penaltyでの活動もあったりと少々入り組んでいるが、音楽性はこちらの方が断然、どんより系の遅重ドゥームサウンドを披露。重くのしかかる悪意まみれの激音と、浮遊する神秘性、その相反する音楽性が交わる瞬間に、この手のバンドのカタルシスの開放となるのだろうが、とにかく彼女の歌声が他のグループの差別化を図っている。ある意味ではゴシック系のも通ずる清廉性のある声なのだが、この暗黒面をフィーチャーしたおどろおどろ系では、彼女が浮遊霊の如くゆらゆらと揺らめいており、その二度と会えない儚さと、神秘性を高める存在感が肝だろう。時には淫靡なサキュバスのように男どもの精を吸い尽くすように妖艶だ。

静謐なる森の奥深くで繰り広げられる闇の宴、そんな本能に語り掛ける恐怖を体現させてくれる①からアバンギャルドな②の流れも狙い通りという所だろう、サバスティカルな音楽性に真っ向から挑んだ、スラッジ暗黒ドゥームサウンド、ブラックメタルのような暴虐性も取り込んでいます。黒く濁る情念は情け容赦なく冷徹なる演奏によって、聴き手をより一層の暗く冷たい闇へと落とし込むでしょう。

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