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Chocolate Box / MOGG/WAY
失恋船長 ★★★ (2020-05-04 14:58:59)
前作から2年のインターバルを空けてリリースされたプロジェクト名義第二弾。時代の流れもありセールス的に振るわなかったと言われる前作。今回はそれなりにヘヴィな音像も取り込みファットな印象も受けるが、それ以上に英国伝統の音楽性を真っ当に引き継いだ部分の方が強く、ラフさを巧みに取り込み情緒のある音楽性を披露。衰えを感じさせないフィルの歌声も艶を増し、ジェフ・コールマンもエモーショナルかつスリリングなギタープレイで魅了。前任者のジョージ・べラスとは違うアプローチなれどギター巧者ぶりを存分にアピール。
彼の味のある多彩なギタープレイにより、UFOの往年の作風と比較しても遜色のないクオリティを誇示。今が全盛期と思わせる充実ぶりを知らしめる結果となった。
これが1999年リリースでなければ、もっと話題になっているかと思うが、マイケル・シャンカーの呪縛は不治の病の如く浸潤、良質な作品をリリースしても話題にすら上がらないというのは残念な話である。結局、元サヤへと収まりUFO再始動となるため、今作はさらに記憶の彼方に葬りさられるだろうが、厚みのあるブルージーなトーンも操るジェフのギターは、このサウンドにバッチリとハマっている。
地味なフィル・モグの歌声が苦手な人も多いと思われる英国ロック。この語感やメロの乗せ方は欧米特有の感性、されだけに日本人の口に合わないのかもしれないが、英国ロック好きにはたまらない要素が満載。熟成されたベテランが醸し出す生身の人間によるロックなヴァイヴ、その人間力にグッと惹き寄せられますね。

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