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Давно ушедших дней / RAVENTALE
kamiko! ★★★ (2020-05-09 20:52:32)
ウクライナ産独りブラック2008年作
ブラックとはいってもブラストしない、ヴォーカルもたまに入っても音像の中に霞んでいるような声。ギターの音がブラック的だがゴシック的にも聴こえる。
4ビートで淡々とほぼ同じようなパッセージをひたすら繰り返すスタイルで、起伏のある曲展開を望むリスナーは絶対に手を出してはいけないサウンドだ。
その繰り返しへの没入感に鬱々と浸りながら、曲が進むに連れて音質が変化する砂のようなギター&密かに絡むシンセの音にノスタルジックな憂いにも似た感覚を覚える。
聴き手によって感じ方は変わるだろうが、ボクがこの作品から受ける感覚は、曲が進むにつれて季節が移り替わり、やがて冬がくる、というような情景が思い浮かんだり
あるいは、曲が進むにつれて、走馬灯のように記憶が過去に遡る、といった感覚に陥ったりする。そんな曲想が感じられるこのジャンルとしては珍しい作品だ。
淡々と同じようなギターサウンドが延々と繰り返されるスタイルは、聴き手をかなり選ぶ上級者向けの内容で、ダメな人にとっては「何じゃコリャ」かも知れない。
粉っぽいブラックな音が好きな人かつギター&シンセの音像の変化自体を楽しめるドローンorドゥーム派という狭い枠にハマった人にはストライクだろう。
地元ウクライナでの評価はどうも微妙みたいで、次作が高評価なようだ。ボクはこのバンド(独りだが)の作品はコレと次作共に推したい。
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