この曲を聴け! 

今週のアルバム10選
失恋船長 (2020-05-18 13:39:44)
『麗しの女性メタルその④』

①ACID KING - 『III』
US産のスラッジ/ストーナーロックバンドの文字通り3枚目。ユラユラと揺らめく靄のかかった音像。その奥底で奏でられる、ぼんやりとしたリフ。深層心理に切れ込んでくるノイズは、時に驚くほどの爆発力を秘めている。紅一点、ロりS嬢の浮遊感のある歌も、このバンドの特異な神秘性に拍車を掛けていた。2005年リリースですが、当時の厳しい状況をものともしない一貫した姿勢に頭が下がりますね。間違いなくUS産ドゥームを支えたバンドのですから。

②Aldious 『Evoke 2010-2020』
ヴォーカルが変われば、ここまで印象も変わるという事で全てが好転しているバンドの代表例でしょう。いまだ現地の人が撮ったNUMMショーの映像を見るのですが、本当に唄がよくなったなぁ。余談だが、サポートのギタリストの女性も画になるし良かった。バンドのコンセプトにある女性でしたね。今後のメンバーによる結婚&出産なども考えると、このままトリプルギターで行けばなんて思いましたよ。
今後彼女たちが戦うのは、女性に対する時代錯誤も甚だしい偏見。残念ながら、こういう人は少なからず存在します。個人的には99%プレイヤーではない人達ですから、どうにもならないのですが、一番困るのは実はリスナーでもありません。音で判断するのではなく性別で良し悪しが決まっているのです、女は生む機械か、恐ろしいです。頑張れ女性メタルバンド。日本にいるオジサンを相手にするよりも世界に目を向けるべきでしょう。偏見ないっすよ。

③Sentinel Beast 『Depths Of Death』
ヒリついたやさぐれ感が何とも言えない魅力を発散するデビー・ガンの歌声、イマイチ楽曲に乗っているとは思えないのだが、スピード狂のメタルマニアならばニヤニヤさせられっぱなしでしょうね。とにかく、ここスケ番チョリースヴォイスがたまらんのだ。そこに切れ込んでくる二本のギターの鋭い切れ味。ゴチャゴチャのミックスのせいで伝わりずらいリズムプレイも、ド迫力と、このバンドの高いミュージシャンとしてのアビリティに興味も湧きます。メイデンの名曲Phantom of the operaをやり切れるバンドですからね。でもこの風呂場で録音したような音はいただけんよ。

④CARRIE 『Secrets』
元MAD MAXのメンバーなどが中心となり結成されたジャーマンHM/HRバンドの1st。ここで唄うは紅一点のアンレン・ミドルドルフ。ジャーマン成分固めも正統派サウンドに真っ向から挑む彼女のパフォーマンスは、やや堅苦しい面はあれど重責を全う。
期待に答えていますよ。単にバンド自体がおもろないから売れなかっただけなのかもしれないが、アルバム一枚で消えた為に詳細は不明。音だけ聴けば欧州的なメロディに気を配した実に真っ当なメタル。確実に需要のあるやつです。プロデュースにラルフ・ヒューベルトの名前も発見。今作のリリースが1986年だから、若いころからサポートしてたんですね。

⑤Valkyrie - 『Valkyrie Rising』
我が国日本から登場した全員女性によるスラッシャーアマゾネス。子育ても落ち着き、再度動き出したのかなぁ?なんて勝手な邪推を膨らませているが、ここで叩きつけるは100%ピュアスラッシュ。懐かしきあの音である。今の時代に、それだけで十分です。たまらん奴でした。生粋の日本人であるアタクシでも、奥さん、アンダルシアな血が湧き出すぜ!!

→同意