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Dystopia / MEGADETH
kamiko! ★★★ (2020-05-19 22:50:33)
米産テクニカルスラッシュ2016年作
80年代後半、クロスオーバーブームをモノともせず、コマーシャル要素など無く硬派にテクニカルスラッシュをやっていたのは
音楽性やステージパフォーマンスを含めても、Megadeth、Coroner、Forbiddenがボクの中で3大バンドだった。
90年代以降、各々のバンドの音楽性が変化・深化していくが、どうもMegadethだけCountdown to Extinction(1992年作)以降、
ボクの感性にフィットする進化を遂げたとは言い難く、そのワリに変化を受け入れるリスナーが意外と多く、当時は理解不能だった。
Rust in Peace(1990年作)までがボクのツボにハマったが、その後の脱スラッシュやギターのメンバーチェンジ、音楽の志向性など
どの盤も良い作品を捻り出そうと試行錯誤していただろうが、初期作品の衝撃を上回るモノは感じられず、1枚も買わずにずーっと静観してきた。
新作リリースの間隔が短く、佳作を乱発するイメージが固定してしまい、作品リリース毎に一応チェックはするんだけど
期待感はどんどん薄くなっていく、ボクにとってMegadethはそういう位置づけにあったのが正直なところだ。
ところが、この盤には、初期の緊張感溢れるリフ・理に叶った複雑な曲展開という元来あった持ち味が蘇った、と感じさせる内容だ。
この盤からチェンジしたギタリストはボクには馴染みのないバンド(ANGRA?一般では超有名バンドみたいだが)の出身みたいだが
Megadethの音楽性にものすごーくフィットしているように思う。収録曲終盤までその緊張が続くとまでは言えないが、少なくとも
前半の曲構成とギターの雰囲気はホント素晴らしいと思ったよ。Megadethに求めるのは、キャッチーにヴォーカルを前面に出す歌モノでもなく
Endgameのようなまるでギターヒーローに特化したかのようなテクニカルさでもない。
今作のような、ヒリヒリした危機感を感じる空気の中、次々に繰り出す曲展開、全パートが有機的に絡み合う硬派な作風がイイんだよ。

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