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Transcendence Into the Peripheral / DISEMBOWELMENT
kamiko! ★★★ (2020-05-21 21:58:51)
オーストラリア産デスドゥーム1993年作
コレは確かアゴ氏のオススメでゲットしたんだったかな。
フューネラルドゥームの元祖はThergothon(フィンランド)、Paradise Lost(英国)、Disembowelment(オーストラリア)
それぞれの国でスローなデスメタル路線で登場して発展したのかなと思っている。
Paradise Lostは2nd以降はゴシック路線で発展してゴシックメタルのムーヴメントを、Thergothonの作風は北欧のカルトドゥームバンドに引き継がれ
Disembowelmentはオーストラリアで数年後にフューネラルドゥームのブームに火が点くキッカケになったんだろう、と思う。
(ボクはメタル誌を読まないしコレを購入当時に何か所かのサイトを翻訳して調べた程度の知識なので、信憑性があるかどうかわからないが)
バンド名は訳すと「腹切」「腹裂き刑」だろう。1曲目「The Tree of Life and Death」あたりの歌詞から、日本の切腹のイメージとは全く異なり
西洋の割腹して腸を巻き付ける刑、といったイメージが妥当なんだろう。そう思って聴くと、確かにそんな残酷な絵が脳裏に浮かんでくるような音だ。
5曲目「A Burial at Omans」は、(たぶん)写実主義画家のギュスターヴ・クールベ作「オルナンの埋葬」をテーマにした曲なんだろうと思う。
大袈裟な表現や浪漫主義を排除した、無表情な写実である埋葬風景を描写しているクールベの作風を、メタルサウンドで表現しているのだろう。
そういう重苦しい、現在のフューネラルドゥーム的世界観でありながら、現在のフューネラルドゥーム様式とは明らかに異なるアプローチで
同時に、当時の既存のメタルサウンド様式に則っているとは言い難く、今聴いても唯一無二の作風だから、インパクトは絶大だ。
基本的にスローなデスメタル&アンビエントではあっても、ブラストビートが予期せぬタイミングで無機質に登場する手法など、定速でビートを刻む感じではない。
伴奏とは独立した形で、情緒的に狂おしくデスヴォイスが挿入されたり、メロディとは言い難い不協和なアコギが淡々と鳴り響いたり、といった
前衛的なサウンドで、かなり異端作品だ。かなりの上級者向けで、疲れるのでボクもあまり頻繁には聴かないが、ドゥームマニアとしては必ず所持すべき古典だ。

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