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今週のアルバム10選
失恋船長 (2020-06-03 16:14:23)
『麗しの女性メタルその⑤』

①STARLESS - 『SILVER WINGS』
国産プログレバンドの1st。少々アイドルチックな女性シンガーに難を示したくなりますが、ゴシック系に多く見られる裏声全開のロック度ゼロの歌い回しよりはしっくりきますね。
清らかで凛とした女性シンガーを前に立て、適度な密度を誇るアンサンブル。ストレートなハードテイストと複雑なプログレ感を巧みに交ぜ独自性をアピール。ハードな質感が強めなのが特に良いですね。
ノヴェラの平山がプロデュース。キーボードによる空間演出も素晴らしい。


②LAOS 『WE WONT IT』
女性シンガー、ドラガン・ラオス嬢率いるバンドの1st。ドイツらしい生真面目で硬質感のあるハードサウンドにメジャー感を吹き込み硬軟のバランスと整えた一品。
硬派な設えだが大衆性を見事に補完。そのおかげで聴きやすさが倍増と絶妙なタッチでL.A勢を迎え撃っている。大映ドラマの主題歌としてカヴァーされそうな曲もあったりと粒ぞろい。短命に終わった為に、その存在は忘れ去られているが歌モノマニアなら手を出して損はなしないだろう。

③FAMME FATALE 『FAMME FATALE』
チョイハスキーのパワフルヴォイスがなんともセクシーだった、ロレーヌ・ルイス嬢擁するバンドの1st。PVも作りプロモーションするもビルボードチャートの100以内にも入れずバンドは、次の一手もなく解散。リリース時は1988年だからメタルバブル全盛だっただけに残念である。音楽の質も高くワイルドなアメリカンロックが好きな方にはたまらんでしょう。洗練され過ぎていないのが良い。それにしても大衆性も抜群だし売れる要素満載なんだけどなぁ。

④BLACKLACE『Get It While It's Hot』
NWOBHM譲りの攻撃性とアメリカンなノリが融合。いい意味で大衆性を纏い軽快に弾けまくっているがハードな質感を残し噛みついてくる。紅一点のマリアン嬢もストレートな歌唱スタイルで魅了。彼女のパンチの効いた歌声はフロントマンとしては十分である。派手目のギターも懐かしい80年代な音が詰まっている。

⑤LEATHER 『SHOCK WAVES』
チャステインのシンガーとして知られるレザー・レオーネのソロアルバム。メンバーはギター以外チャステインということで微妙な空気が漂うが、ギタリストのマイケル・ハリスの派手目のプレイをフィーチャーしつつ、重量感たっぷりの王道サウンドを披露。正直、チャステインとの違いはあまりないのだが、剛毅に打ち鳴らされる無頼なUS産パワーメタルが大好きなマニアならマストな一枚であろう。ドスを効かせたパワフルヴォイスと、光沢のあるコンクリートサウンドとの相性は抜群だ。衰えはあったが2018年に2枚目のソロをリリースと、健在ぶりを見せてくれたレザーさん。今でもそうなのだろうが、女性は格下扱いされていた80年代よりは真っ当な評価を受けれるだろう。頑張れレザー姐さんである。

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