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Stay Hungry / TWISTED SISTER
火薬バカ一代 ★★★ (2020-06-17 00:33:17)
ディー・スナイダー(Vo)率いるTWISTED SISTERが'84年に発表した3rdアルバム。
本作を初めて目にしたのはいたいけな中学生の時分だったので、新宿2丁目の老舗オカマバーの店長みたいな大男が、謎肉を握りしめてこっちを威嚇しているジャケットのインパクトに、楳図かずお先生ばりのガビガビの吹き出しで「く、狂ってる…!」とドン引き。この男は本物のキチGUYに違いないと恐れおののいていたのですが、その後、PMRC絡みで米国上院の公聴会に呼び出された際のディーの理路整然とした受け答えの様子や、未だに語り草の1982レディング・フェスティバル参戦時の男気溢れるライブ・パフォーマンス(ボトル投げ込まれまくっていた会場を熱演で掌握し、遂には大合唱を巻き起こす)の評判を知って印象が大きく改善。モノは試しと本作を購入してみて、そのカッコ良さに「もっと早く聴いときゃ良かった」と、手のひら返しで痺れまくったという。
エネルギッシュな疾走ナンバー①を皮切りに、合唱を呼ぶメタル・アンセム②⑤⑨、緩急を効かせた③、ホラー映画を思わす④、劇的なバラード⑥、硬質でメロディアスな⑦、ヘヴィに打ち込まれる⑧…と、次々繰り出されるタイトな収録曲は、悪趣味さや下品さを強調しても陰惨にはならないディーの陽性なキャラクターと相俟って、思わず一緒に歌いたくなるキャッチーな魅力が充満。ノリ易く親しみ易いポップさも伴いつつ、それでいて媚びておらず、寧ろ仄かに憂いを湛えたメロディが硬派な風情すら感じさせる辺りは、やはりNYメタルならではの味わいではないかと。
英国先行だったバンドの人気をアメリカでも押し上げた出世作というのも納得の名盤。

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