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Fused / TONY IOMMI
失恋船長 ★★★ (2020-07-07 12:41:38)
2005年と言えば混迷するメタルシーンの中にあって、少なからず原点回帰を思案するバンドも増える時期だった。そんな
何かが起こりそうな時代にリリースされた、ブリティッシュロックレジェンド二人によるプロジェクトアルバム。

うねりを上げるアイオミのギターに絡むは我らがヴォイスオブロック、グレン・ヒューズの降臨。既にこの二人のコラボレーションから派生されるマジックは体感済み、あとはどの音楽性に照準を合わせ展開するかだが、ここでは、むやみやたらに若者を意識したスタイルは排除、勿論、2000年以降のヘヴィロックスタイルではあるが、アイオミのイメージを壊さない重厚なサウンドを披露。様式美系ではない暗黒ヘヴィロックでおもてなしです。

ロニーやマーティンと比べ憂いのないグレンの歌声、軽さという点ではオジーと変わらないが、オジーとは比較のしようもないほどテクニシャン。その技巧面を情感を乗せてコントロール、多種多様な楽曲の中でファンクを抑えロックシンガーに専念、まさにヴォイスオブゴットぶりを魅せつけてくれます。
前半の今風ヘヴィ路線よりも中盤以降のメロディを生かした楽曲の方が両者の特性と思惑が合致しているように感じるのも、このアルバムのお楽しみの一つ。この二人のコラボには、まだまだマジックは存在するんだという事を知らしめてくれた。類まれな表現力を持ち合わせた歌唱力、その存在感に驚かされるのだが、それにも負けず、アイオミが自分の色を無理なく打ち出し究極のマッチングを見せてくれた。
ヘヴィな部分と叙情的なフレーズの出し入れの上手さ、テクノロジー頼みではない生身の温かさがあるのが良かった。

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