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Every Beat of My Heart / STAN BUSH
火薬バカ一代 ★★★ (2020-07-21 00:15:26)
映画、ドラマ挿入歌、日本ではトヨタやマツダのCMソングを歌い、ルー・グラムが抜けたFOREIGNERの後任シンガーに名前が挙がったこともあるというメロディアスHR界の信頼と実績の優良ブランド、スタン・ブッシュ(Vo)。本作は彼が’93年に発表したソロ名義では2枚目となるアルバム。国内盤はゼロ・コーポレーションから発売で、同レーベルが彼の作品を扱ったのはこれが最初でした。(次々作『HIGHER THAN ANGELS』(’96年)とジャケット・デザインがそっくりでちょっと混乱しますけども)
アメリカのHR/HMシーンがグランジ/オルタナティヴ・ロックのトレンドで塗り潰されようと、今回も自身の得意とするメロディ重視のアメリカン・メロハー・サウンドを真摯に追求。この人のカタログは目を瞑って選んでもハズレを引くことはない(そもそも当たりアルバムしか作っていない)のですが、それはJOURNEYのジョナサン・ケイン、ブライアン・アダムスやKISS等との仕事で知られるジム・ヴァランス、AXEのボビー・バースといった、共同プロデューサー&ソングライターとして名を連ねる錚々たる顔触れを見た時点で、早くも完成度の高さを確信させられてしまう本作においても同様です。
爽やかに聴き手を癒す③、ポジティブなエネルギーに満ちた⑤、高揚感を伴うキャッチーなサビメロが絶品⑨、タイトルからして名曲の風格漂うバラード⑩等々、収録曲はスタンの情感豊かな歌声が映える逸品ばかりな上に、後の作品と比べるとビートを効かせた躍動感溢れる楽曲の比率が高めゆえ、「AOR/産業ロックはちょっと…」という向きにもお薦めできる1枚ではないかと。

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