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Burning Japan Live / GLENN HUGHES
失恋船長 ★★★ (2020-07-24 13:00:32)
80年代という、ある意味、最も大切な時代を無駄に過ごした男。その天賦の才に誰もが嫉妬を覚えるほど、ファンキーな歌唱スタイルと、リッチー・ブラックモア以上にステージでは派手に動き回るスター性、迫力満点の歌声と、豪快なベース、彼はミュージシャンとして類まれな才能を持ち合わせていた。
重度のドラック依存&アルコールと、まさにロックな生き様を送る自堕落な人生、何度も周りが手を差し伸べるもダメだった。90年代の頭、ジョン・ノーラムとタッグを組み、起死回生を狙うもグレンの悪癖は抜けず、流石のジョンも離れざれる状況にあったと言われる。そんなミュージックシーンの底辺まで落ち、頼ったのは北欧のミュージシャン。彼らとのコラボは奇跡を起こし、こうしてライブアルバムを制作できるまでグレンは自信と向き合うことが出来た。
悪癖と手を切ったグレンに怖いものはない。鬼に金棒となった稀代のファンキーロッカーが完全復活。あのファンキーでソウルフルな歌声もそのままに、長く低迷した時代を肥やしとした貫禄のステージングは、本当に最後まで完走できるのかグレンなんて、勝手に思ったりするのだが、そんな思いは杞憂に終わる。
もはやパープルファミリーの現役では、誰も唄えない名曲①をカヴァーディル抜きでも成立することを証明、個人的にはグレンが歌うパートが大好きだったので、これは大ありの大正解。このライブが凄い事になる予感させた。
ソロアルバムを中心とした作りだが、選曲に大きな問題はなく、彼のスター性もそのままに、華やかでソウルフルな歌声に脱帽。③なんてグレンの独壇場でしょう。その後もDPありトラピーズあり、お初のヒューズ/スロールの登場に悶絶必死。心底痺れました。
我らがZEROコーポレーションが記録した偉業。グレンの復活を後押し、国内盤は1994年、翌年ドイツのSteamhammerがリリースと、グレンが遂にカムバックしたんだと世界中に知らしめる事となった。
そういう意味でも歴史に残る奇跡のライブアルバム。ヴォイスオブロック、グレン・ヒューズの降臨に、嘘くさい歓声すらも味方につけている。
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