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Up and Cumin / Lyin Rampant
失恋船長 ★★★ (2020-08-02 16:51:24)
元TYTANのギター兼ヴォーカルのステュワーティー・アダムスがHEAVY PETTINから離れたエディ・トレーナーとタム・クリーマーらと合流して結成されたバンドのデビューアルバム。1987年に今作を残したきりで詳しいバイオは知られていないが、英国的な憂いのある叙情的なメロディが爽快感のあるポップサウンドと濃密に絡み合い、洗練されたハードテイストと嫌味なく融合、売れたい路線ではあるが、本格派の手触りの残し、歌モノ系のライトヘヴィソングマニアなら大いに楽しめるでしょう。

こういう本格的なメロディアスサウンドを作り込んだのに、オレンジ色がかった配色が目に痛いセクシー系の女性が映り込むジャケが大損している。あのジャケならもっと軽薄でインチキ臭いロックが飛び出してくると思いますよ。

サブタイトル(SAYONARA)とある⑦曲目のSay Goodbyeなんてキラキラ系のキーボードを隠し味に、日本人好みの哀愁と情緒があったりと、十分に需要のあるサウンドに仕上がっている。真面目に作り込んでいるだけに知名度が低かろうが、メンバーから小粒感が漂うが、質の高さは標準をクリア、メロディ派のハードマニアなら手にして損はしないでしょう。かつては中古市場でも破格の値段で取引された一品。それがダウンロード市場では安価で手に入るのだから、ありがたい世の中です。

個人的には、こういった蒸し暑い夏の日に、クールダウンさせるのにピッタリの一枚。甘すぎず酸っぱすぎない情緒のある。大人のメロディアスハードポップサウンドってのは、あまりないのでね。ギターがしっかりと自己主張出来ているからハードさも補完されているのもありがたい。

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