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The Ten Commandments / MALEVOLENT CREATION
悪い悪魔 ★★★ (2020-08-07 13:20:09)
アタマからケツまで隙がないアルバムです。
確かにエクストリームなデスメタルを求めると物足りないかもしれませんが、別にデスメタルって激しさだけが全てではありませんから、あまり気にならないです。
CryptopsyやDisgorge、Slipknotのメンバーがこのバンドから影響されたと言っているように、後続のデスメタル、エクストリームメタルシーンに多大な影響を与えたバンドだと思います。
リフの一つ一つがこれぞデスメタル!!という感じでたまらんのです...!!
特にトレモロ(刻み)リフの使い方がデスメタルのお手本のよう。
おそらく後のバンドはここら辺のリフの組み立て方に影響されたのだと思います。
このアルバムで聴かれるリフは、今やみんなが使っていて著作権フリー状態ですね。
ボーカルスタイルもギターリフもドラミングも全てが、今のデスメタル(またはエクストリームメタル)の基礎になっている気がします。
デスメタルのパイオニアとしてはDeathやMorbid Angelなどに功績がありますが、このバンドはデスメタルの様式?を固めた存在だと僕は思ってます。(交響曲の道を切り拓いたベートーベンと、交響曲の型をかっちり決めてしまったブラームスみたいなものか。クラシックにわかだから、的外れな例えかもしれない...。)
リフ又はメロディの作り方、曲構成、全てが今のデスメタルの基盤となってます。
それとMorbid AngelやDeath、Deicideなんかのデビューアルバムは青臭く、洗練されきってないものが多いのですが、このバンドの場合、最初から完成されてます。
やりたい事が決まっていて迷いがなく、明確なビジョンを持っていたんでしょうね。
音質はやや古臭いので時代を感じますが、この年の作品とは思えないくらいクオリティが高いです。
同年にSuffocationがあの伝説のデビューアルバムをリリースしていますし、91年にしてデスメタルというのはスタイルが固まってしまった印象があります。(あとImmolationもデビューしてるな。すんごい年だね、91年)
僕はこの作品が好きすぎるので、今更冷静に評価なんか出来ないくらいなのですが、初めて聴いた時はさほど良いとは思わなかったので(皆さんがおっしゃる通り地味だと感じた)、理解するには少し時間を要するかもしれません。
しかし、デスメタルをたくさん聴いていけば(僕はそんな多く聴いてるわけじゃないが)、良さが分かると思います...多分ね。
あと、この手の音楽はインパクトが重視される傾向にあるので、インパクトの面では少し弱いこのバンドはあまり評価されないのも必然なのかもしれません。
色々聴けば、インパクトや耳馴染みの良いメロディなどが無くとも良い音楽が成り立つ事が分かると思いますし、その時にはこのバンドの素晴らしさに気づけると思いますよ。
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