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今週のアルバム10選
失恋船長 (2020-08-18 13:35:03)
『麗しの女性メタルその⑧』

①TOWER - 『TITAN』
オランダ産のプログレバンドによるデビュー作。とにかくオープニングから壮麗なドラマが展開。幾重にも折り重なるオーケストレーションとコーラス、そのキラキラ感にロビー・ヴァレンタインやクイーンといったところを思い出させるが、このバンドはあそこまで洗練されていないのでロックな感触を楽しめる。
変にオーバダブされてないギターも耳を惹くが、華麗なる展開を司るキーボードアレンジに耳が持って行かれるだろうが、両者が邪魔することなく共存する様が魅力的。
紅一点の女性シンガーの持って行き方も悪くない。もう少し何か色が欲しいグループなんだろうが、メンバーショットから醸し出される垢抜けなさが音に現れているのもなんだか好感が持てる。大昔の大映ドラマの主題歌を思わせる曲調も好きだ。


②Robin Beck 『Do You Miss Me』
彼女の代表作と言えば『Trouble Or Nothin』になるのだろうが、当時は久しぶりの復活作が、あのFrontiersからリリースされるということで期待値の高くなった話題作。国内盤は一年遅れでネクサスから出ている。旦那である、ジェイムス・クリスチャンも全面バックアップ。大人になった彼女の落ち着いた歌声と、泣かせの哀愁ロックの相性は抜群。いつジェイムスが歌いだすのかというような、ハードテイストも完備しており、彼女が求められている音楽性をど真ん中で受け止めた仕様となっている。今でも良く聴くハードポップアルバムの名盤の一つだ。

③APHASIA 『Labyrinth In My Heart』
メタル冬の時代にデビューした、ガールズメタルバンドのメジャー進出アルバム。レーベルはAKBでお馴染みのキングレコードです。本当にAKBのおかげでネクサスレーベルが復活なら、あの娘たちには足向けて寝れんね。
等身大のバンドサウンドを封じ込めつつもメジャー流通らしい展開も導入、いい意味で出来過ぎなのだが、爽快感のあるハードポップから、叙情派メロディアスナンバーまで多彩な楽曲を収録。インディーズ時代の精神性を貫いたという事だろう。こんなにうまいバンドではないのだが、個人的には思い入れの強いグループです。

④The Storm 『Sweet Surrender』
AOR系の哀メロハードポップマニアなら是非とも聴いて欲しい、女性シンガーと擁するグループのアルバム。アルバム一枚で消えた為に幻となり、商品も全然見かけることがないのだが、そのおかげで世界中のマニアが血眼になって探す貴重な作品。Frontiers辺りから再発&復活アルバム出してくんないかぁ。
躍動するリズムと哀愁のメロディ、そこにねじ込まれる瑞々しいほど弾けるポップセンス。キュンキュンされっぱなしです。

⑤Bad Sister 『Heartbreaker』
ドイツ産のメロディアスHM/HRバンドのデビュー作。欧州由来の哀愁美どドイツらしい生真面目さ、その硬さがいい意味で軟化されており、軽くならず重すぎない絶妙な合間の縫って展開していきます。
ダイナミックな歌いからの女性シンガーの硬さも気になるが、一体感のあるバンドサウンドは、その筋のマニアにはたまらんものがあるでしょう。

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