この曲を聴け! 

Built to Destroy / MICHAEL SCHENKER GROUP
Tamasa ★★★ (2020-08-20 01:49:46)
1st~3rdまで長々書かせて頂きましたが…実はこれが一番好きです!(笑)この年はAlcatrazzの1st、RainbowのBent Out Of Shapeと限りなき戦いばっかりとっかえひっかえ聴いていました。中でも限りなき戦いのジャケットが好きすぎて。

マイケル本人も”最も弱い作品”なんてことを言っていますが、全くそんなことはありません。下手だからという身も蓋もない理由でクビにされながらも気持ちよく戻って来たゲイリー・バーデンのおかげで、ある種”M.S.G.らしい”歌メロも復活。キャッチーさとマイケルらしさのバランスが非常に良く、気持ち良く一気に聴き通せます。

このアルバムを語る時に必ず言われるMix違いですが、個人的にはどっちもOKです。US版が悪いとも思いません。最初に聴いた印象の強さでもありますが、Rock My Nights Away(名曲!)は、イントロがないと寂しいですし、Captain Nemo(名曲!)はフェードアウトしちゃダメでしょ。オリジナルの太くて生々しいMixも確かに良いので、2度楽しめると考えればお得なアルバムです。


マイケルはこのアルバムをもって再度本格的に全米進出を目指しますが、またしても精神的に雲行きが怪しくなります。日本武道館では「ジャップ!金やるから出てけ!」とキレるは、ライター頭に当たって怒って帰っちゃうは、精神的に不安定極まりない状態になり、ツアー中にゲイリーに「スターぶってんじゃねぇよ!」といちゃもんを付けクビに。この時点で既にM.S.G.は事実上崩壊。極めつけは、伝説の84'スーパー・ロック・イン・ジャパンでの逆伝説ライブ。アンヴィルの人生のターニングポイントにもなったこのライブの参加バンドはMSG、ホワイトスネイク、スコーピオンズ、ボン・ジョヴィ、アンヴィル。MSGはホワイトスネイクとテレコでヘッドライナー。こんな、日本中のメタル・ファンとライバル、兄ちゃんの前で、史上最低のライブを披露してしまいます。ゲイリーの呪いか、歌えないは、歌詞覚えていないは、格好はインディアンだは踊るはのレイ・ケネディは、そりゃもう凄かった…。で、マイケル精神的にジ・エンド。

その後、色々、色々、色々あったり、韓国の酒みたいな人と組んで何故か凄テクギタリスト入れたり、老後のバンド活動楽しく始めたりしますが、結果的に見て、このアルバムは、マイケル・シェンカーがその魅力を最大限に発揮した最後のアルバムではないかと思います。

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