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Danger / 44 MAGNUM
Tamasa ★★ (2020-08-23 19:29:34)
83年といえば、86,7年にピークを迎える世界的なメタルブームが本格的に盛り上がってきた年。後に海外ではヒットチャートの上位をメタルバンドが占めるようになる訳だから、今からは想像もつかない程、爆発寸前の熱が渦巻いていた時期なのだ。ただ、日本の特殊な音楽事情の中では、最後までメタルはマイナーな存在のままだった。44マグナムは、後に嘲笑のニュアンスまで込められた所謂ジャパメタのイメージそのもの。時代を象徴するバンドであり、DANGERは象徴する1枚である。
ラウドネスが彗星のように現れた直後から、日本中でメタルバンドが雨後の筍状態で増殖を続けた。その中心は関西。物凄い熱だった。その中から選びに選ばれ、最も早くデビューを果たしたのがアースシェイカーと44MAGNUM。既にデビューするには十分すぎる力を溜めていただけに、デビューアルバムDANGERで44MAGNUMの魅力は完成していた。今聴けば音楽的にどうこう言うべき所はないかもしれないが、当時の(自分を含めて)メタルという新しい音楽の魅力に飢え、吸収しまくっていた少年たちにとっては、これがカッコいいのだと刷り込まれてしまっている。また、音の追求に皆が鎬を削る中、ド派手なビジュアルにも力を入れた最初のバンドでもあった。結果、それはXやビジュアル系を産むことになり、この点を見ても外タレに目を向けていたように見えてとことんドメスティックだ。
聴けばあの時の熱が蘇って来る。
今のファンに「カッコいいから聴いてみな」と勧めるつもりはないが。
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