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今週のアルバム10選
失恋船長 (2020-09-05 14:18:50)
『名作劇場』


①ボーダーライン
麻薬カルテルに家族を殺された男の復讐劇。簡単に言えばそうなるのだが、そこに複雑に絡む利権と人間模様。そういう小難しい内容を下地にはなっているが見せ方が上手くテンポも良い。その為に何度見ても飽きないし、クライマックスとなるカルテル首謀者と家族との対面シーンには汗が噴き出る。麻薬汚染とは実に難しい問題だ。

②二十日鼠と人間
ゲイリー・シニーズが監督と主演を務めたヒューマンドラマ。知能は弱いが怪力男と、知性はあるが階級を持たない人間達が織りなす人間ドラマ。ジョン・マルコビッチの無邪気さに涙する。すったもんだの挙句、夢が叶い歓喜の瞬間が訪れるも、無邪気さが全てを無くしてします。なんとも悲しい物語である。

③江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
長らくソフト化が見送られたカルト映画の決定版の一つ。そのぶっ飛んだ構成と映像のもつ破壊力に脱糞である。
リリース時は成人映画指定だったとは笑えるが、それくらい危険な内容だったという事だろう。倫理的にも、今のご時世なら完全にNGだ。いろんな意味でおおらかな昭和の時代。
改善するべきは当然だが、こういう刺激的なものを規制しすぎるのはいかがなものだろう。これ見て、おれもフリークス博士になろうとか思わないよ。


④Mark of the Devil
1970年に西ドイツで撮られた魔女狩りがテーマの残酷ムービー。邦題は『残酷!女刑罰史』今となっては、そりゃチープな映像ですよ。でもね、この血生臭さ漂う残酷描写と重苦しいテーマにげんなりさせられる。救いのない展開に、もういいよと辞めたくなる。残忍な話のヨーロピアンスプラッターになるのだろう。
昔、映画通の知人にホラー系の映画が好きだといったら、矢継ぎ早にこんなの知っているかと聴かれ、知らんと答えたら軽く馬鹿にされた。そして、彼から世にも恐ろしい映画の数々を見せてもらう経験をした。イタリアン人体破壊映画の数々に恐れ慄いた。それでも当時は、軽く馬鹿にされたのは心外だと思っているが、今ならなんとなく、その気持ちが理解できる。ワタクシだって日本のレコード会社からしっかりと流通された音源しかしらず、ライナーノーツ&雑誌のレビューだけを頼りにして生きているのに、音楽に詳しいといっている奴に出会えば、鼻もひっかけないもんな。
カルト映画を教えてくれた彼のおかげで、ある意味映画に詳しくなったが、人には進めずらい、エログロナンセンスを極めた作品を誰に勧められるのだろう?完全に変態扱いされるわ。タイトルも込みで『ゴア・ゴア・ガールズ』の事を忘れたこと無いわい。

⑤イルザ ナチ女収容所/悪魔の生体実験
世の中にエログロナンセンスブームを生み出したと言われる極悪趣味映画。女の裸も多めの残酷ムービーショーの幕開けです。こなの誰が見るんだと思わずにはいられないのだが、当時はエロ目当てで劇場に足を運んだんだろうか?
残虐なシーンは目も覆いたくなります。不思議なもので若い頃は平気だったのに、オジサンになるとリアルに痛みが伝わり見るに堪えないと感じる。本当に不思議なものだ。ストーリーはあるんだけどどうでも良いわ。


⑥ヒルズ・ハブ・アイズ
70年代に制作された『サランドラ』のリメイク。2006年のモノなので残酷描写も鮮明になっている。これを見たならオリジナルも是非見て欲しいものだ。
色んな意味で発禁ものでしょうね。原子力爆弾の実験がどうのこうので怪物人間だもの。
殺され方もエグイぞ。救いもないぞ。あんまりだぞ。

⑦黒い太陽七三一 戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌
中国制作の映画。昔はレンタルショップにも普通にあったが、発禁ものとなり手に入らないカルト映画。
所謂、731部隊が及んだ残虐非道を極めた人体実験の数々を映している。
トラウマ必至の映像の数々。許されん悪行に目を覆いたくなります。実際にここまではやっていないと言っているのだが、当時の軍部が起死回生を狙い、細菌兵器を作り出そうとしたのは海外で行われた裁判資料などもあるため、誇張はあれど認めざるおえない暗部であろう。
この黒い太陽シリーズは数本あった記憶があるぞ。

⑧『孤狼の血』
久々の本格派ヤクザ映画。キャストに気を配りVシネ感を上手く排除しているが、やはり竹ノ内豊や江口洋介はヤクザの幹部としては甘すぎる、特に竹野内豊はベビーフェイスすぎるだろう。ストーリーもあえて昭和感を出しているのだが、イマイチ詰めが甘く血生臭い映像もあるのに、どうにもヤクザ映画特有の荒涼としたニヒリズムが足りない。これが今の日本映画の限界なんだろう。松坂桃李の真実を知ったあとの乾いた笑いは印象的だった。あと日本映画は役所広司に頼り過ぎである。それでも久しぶりにど真ん中のヤクザ映画を見ることが出来て良かった。

⑨『独立機関銃隊未だ射撃中』
ほぼトーチカの中で行われる戦争映画。死守命令の残酷さ、絶望的な環境の中、力を合わせ闘う日本兵の姿に胸が痛くなります。三橋達也の頼りになる先輩感、佐藤充の味わいのあるキャラ、若い兵士が見つめるトーチカという名の密室劇、狭い空間だからこそ繰り広げられるスピーディーな展開、ダレさせない演出など今見ても十分に楽しめる。戦争映画の名作である。

⑩『犬神家の一族』
市川崑が脚本も手掛ける角川映画を代表する一本。のちに金田一ブームを生んだことでも、今作の持つ意味は大きい。かつて劇場で公開された金田一耕助は原作とは程遠いキャラで描かれていたらしいが、古いものは見たことがない。子供の頃初めてみた、金田一もこれだった。複雑に絡む人間模様、何故?見立て殺人なのかと、子供の頃は不思議だったが、一応は理由があるので納得できる。
今見ても十分刺激的で、ストーリーにも魅力を感じるのは、やはり白ゴムマスク姿のスケキヨの存在感だろう。あれを映像化した製作者の勝。

予想以上の連休をもらい見まくった映画の一部。やはり昔の映画はインパクトが強い。規制も緩めだからなおさらだ。

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