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DEMON ENTRAILS / HELLHAMMER
kamiko! ★★★ (2020-09-06 23:09:42)
スイス産ブラックメタル2008年作
このバンドは1982年から84年まで活動していたCeltic Frost前身バンドだ。Celtic Frostにハマった頃にTriumph of Deathの凄まじさを知り
当時はカセットかスイス盤LPしか見つけることができず、CDをゲットすることができなかったので、友人に録音してもらい鑑賞していた。
ウチには2008年にリリースされた、この全音源収録版のCDのみある。
後のCeltic Frostにも継承される濃厚な魔性とアンダーグランド臭は、ここで培われ、且つ、Hellhammer時代の方が濃く、ぶっ飛んでいる。
Tom Gabriel Warriorの魅力は、そのアクの強い歌唱だとボクは思っている。特にこの音源中、Triumph of Deathが最も濃い。
楽曲や演奏技術は相当なポンコツであるにも関わらず、怨念にも似た魔性の表現、ヴォイスパフォーマンスの凄みのみで聴き手をどん底に突き落とす。
Celtic Frost時代はここまで変態的な歌唱ではなかったにしても、他のブラックでは真似できない独創的なヴォイスがHellhammer時代から継承された。
また、16年のブランクの後、突如リリースされたMonotheist(2006年作)は、Celtic Frostの集大成的作品ではあったが、特にこのHellhammer時代の
濃厚な魔性が蘇ったと感じたものだ。
まあ、Hellhammerは毒気が強すぎる上、相当な疲労感を伴う作品ではある。今更コレを聴こうと思うこともあまりない。
だが、ダークサイドミュージックフリークはバイブルとして携帯しておかなければならないほどの歴史的名盤で、当時の音楽シーンへの影響力は計り知れない。
同郷のCoronerの吐き捨て型スタイルにも影響を与えているだろうし、日本のGallhammerのようなレディスバンドフォロワーが出現するなど、
物凄い影響力を持ったバンドだったと思う。80年代初めにこの破天荒なスタイルで登場したこと自体、先進的な事件だったんだろうね。
最近のTom Gabriel WarriorはTriptykonで作品を作り続けてるんだろうと思うが、ズブズブで真っ黒な世界を描いてて素晴らしい反面、最大の魅力
であるヴォイスパフォーマンス的な歌唱が影を潜めているところはボクとしては残念だ。Hellhammer時代の魔性を帯びた歌が再び蘇らないかな。

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