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Distorted Views / MICHAEL HARRIS
火薬バカ一代 ★★★ (2020-09-24 01:21:12)
デイヴィッド・T・チャステインの秘蔵っ子で、日本でもマニアから注目を集めたメロディアスHRバンドARCH RIVALの中心メンバーでもあったギタリスト、マイケル・ハリス。ファースト・コンタクトとなった名曲“MIND OR HEART”におけるこの人の泣きのギターには感銘を受けたものの、その後の活動までは積極的にフォローしていなかったので、'99年にマーキー/アヴァロンから、3枚目となる本ソロ・アルバムをリリースしていたことには全く気が付いていませんでした。リリースからしばらく経って中古ショップでアルバムに目が留まり、収録曲の中に“BLUE TOKYO”なる非常に食指をそそられる曲名を見つけてしまったので思わず購入。したらば個人的に主食ではないインスト作品ながらも、これが聴き手を飽きさせない好盤に仕上がっていたのだから嬉しいじゃありませんか。
嫌味にならないテクニックと、確かな表現力を駆使して奏でられるのは、メタルからアコギによる小品、クラシック、ジャズにプログレ、ブルーズまで様々なジャンルを横断しつつ、己のルーツを詳らかにするような多彩なサウンド。但しいずれの楽曲も琴線に触れるキャッチネスと哀愁を宿したメロディに彩られており、Gプレイと曲作りの両面においてマイケル・ハリスというミュージシャンの円熟味がじわっと滲み出してくるという塩梅。
スリリングな疾走チューンやクラシカルなナンバーも勿論カッコイイのですが、やはりハイライトは本作のお目当てでもあった“BLUE TOKYO”ですよ。都会の哀愁をブルージーに伝えてくれるこの名曲における情感篭ったGプレイにはグッとくるものあり。
「話のネタになれば」程度の軽い気持ちで買ったら、お釣りが来るレベルの当たり作品だった1枚です。

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