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Lettin' Loose / HEAVY PETTIN'
失恋船長 ★★★ (2020-10-03 12:49:04)
1982年にNEATからシングルをリリース、そこでの成功を契機にPolydorとのディールを手にすることになる。大手の影響もあるのかブライアン・メイがプロデュースに名を連ねるなど、NWOBHMファイターとしては異例のバックアップ体制なのに驚かされる。その期待を受けるようにオープニングからNEAT時代とは打って変わってソフトケイスされたメロディアスナンバーで幕開け、その流れを壊すことなく②③④と進むが⑤では一転、HM/HRバンドとしての本性を剥き出し牙を光らせます。
その後も、硬軟交えたバランス感覚で勝負、このバンドがDEF LEPPARDを手本にしたのは疑いのないような構成もあり、2、3枚目のライトな方向性のアルバムよりもハードな質感に騙される人もいるが、露骨なやり口が目に付くのが印象的。また、間違ってもメイデンなどの硬派なバンドと比較して聴くような音楽性でもない。
しかし英国的哀愁漂うメロディと、嫌味にならない大衆性、その両面を際立たせることに成功した手腕は見事、湿り気を帯びたツインギターと良く伸びるハイトーンとの組み合わせの効果的に機能、マニアご用達で終わらせるには惜しいバンドですね。
幅広い層に訴えかけられる音楽性、1983年という時代を射抜くような質の高い名盤ですよ。
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