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The Reality Of Miracles / LIONHEART
失恋船長 ★★★ (2020-10-05 20:18:49)
奇跡の復活を果たした前作から、ついに待望の完全新作がリリース。シンガーは前回同様リー・スモールが担当。彼のエモーショナルで温かみのある歌声とコーラスハーモニーを中心とした作りは、このバンドの真骨頂。アメリカンなライトロックに手を出していないので、前作を支持した方なら安心して聴けるでしょう。
とにかくフックのある哀愁美に満ち溢れたメロディがテンコ盛り、適度なハードさも忘れることなく放り込み、デニスとスティーブのツインギターは、互いを高め合い尊重し合うかのように相性の良さを見せつけ、このバンドの推進力となりバンドを牽引、盤石のソングライティング力とかけ合わせれば、その破壊力は相当なものとなるでしょう。
メロディ派の心に永遠に寄り添ってくれる、メロディアスHM/HRの名盤が新たに誕生しましたね。

求められることを、おくびにも出さずにやり切る奥ゆかしさにグッときましたね。こういうベタをベテランが変な色を出さずにやるってのは、簡単なようで難しいですよ。色が薄い分、中途半端なものを出せば、それは即不満へとつながりますからね。

阿吽の呼吸から生み出されるベテランバンドの妙味。ハードテイストも損なわない楽曲も合い間に用意し、シングルカット向けのソフトケイスされたサウンドだけで終わっていないのも素晴らしい。主役は二人のギターと言いたいが、彼等が一番聴かせたいのは、コーラスハーモニーだし楽曲。そして、熟練のアンサンブルの頂点に君臨するのは、リー・スモールの唄だというのがポイントだろう。無理無駄のないアレンジセンス、何を聴かせたいかを明確に定めたバンドに敵なし、メロディ派ならマストな一枚と言える仕上がりに膝を打ちました。
こういうアルバムは大好物です。速いだけや過激なだけがメタル系ではないと思い知らせてくれますね。日本人好みの曲を書くのが上手いバンドだなぁ。

日頃、メインに聴くのが板起こしのような音質の悪い、半地下NWOBHMなんで余計に、耳に響きますね。そしてリー・スモールは歌が上手いなぁ。

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