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The Upcoming Terror / ASSASSIN
失恋船長 ★★★ (2020-10-15 08:15:02)
あれ?消えてんなぁ??

かの有名な商業誌から50点を喰らったいわくのある一枚。まだまだスラッシュメタルへの理解は低く、マニア向けだったんだろう。特にこの手のレビューを担当する人もいなく、翻訳家のさこたはつみさんが専門だったと聴く。これは深民さんが下したらしいが、こういうスピード重視の不条理なサウンドというのは嫌いな人はトコトン駄目でしょうね。
個人的に、スラッシュ系からメタルを聴き始めたので、この手のスタイルはアホのように耳にしました。
もし、雑誌を片手に音楽を聴いていたら一生出会えなかったと思います。

一気呵成に突っ込んでくるスピード命の音楽性、そのもっさりとした音質に難を示したくなるが、マチェーテを片手に備えぶん回す暴力的なサウンドは今聴いても十分刺激的、断末魔の叫びをあげる歌声と、制御不能と化した大型重機が暴れ回るが如き修羅場を想起させるリズムプレイに恐れ慄きます。

当時はアメリカやイギリスよりも格下扱いされていたジャーマンメタルシーン、そういった理論整然としたメジャーロック勢とは一線を画す、地下メタルサウンドの凄みは今作からビンビンに溢れ出ており、シーン全体をひっくり返すようなパワーが蓄積されていた。
拘りぬいたアグレッション、汚らしく騒々しいサウンドではあるが、単なるメタリカのフォロワー群とは違い、自分達のカラーを打ち出そうとしている。彼等もルーツは同じ、NWOBHMだしパンクもある、しかし一つのジャンルにハメ込まれることを拒絶するようなアレンジと構成があり、聴き進むにつれ、その味付けの多彩さに驚かされる。勿論、諸先輩方の影響も大だが、個性を見いだそうと努力を怠っていないのは評価できるだろう。

ハッと息を飲むほどに美しいアコギをフィーチャーした⑤など顕著に表れているのではないだろうか。細分化されたメタルシーンだが、今は随分と洗練されたものだ。この時代でしか味わえない、初期衝動を震わす地下メタルサウンドの凄み、既にこういうリズムアレンジを行っていたバンドがいたんだという事を知って欲しいですね。

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