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Art of the Time / PAGAN REIGN
kamiko! ★★★ (2020-10-19 20:52:13)
ロシア産ペイガンメタル2019年作
前作から1年足らずで発表された新作でありながら、とても作り込まれたハイクオリティな作品。
もはやこのバンドの右に出るペイガンメタルは、当分の間巡り合えないだろうと覚悟したくらい、とてもボクのツボにストライクなペイガンメタルだ。
前作同様に非メタル的なアカデミックなジャケだが、中身は相当濃いメタルサウンドだ。前作の延長線上にある音楽性ではあるが、前作の落ち着いた作風に加え
再び激しさが増した印象、また、ロシア民族楽器のメタルサウンドへの融合度合いが相当高くなり、ギターと同じくらいの存在感がある。この民族楽器とギターの
コラボレーションに全く違和感が無く、ハイボルテージな緊張を作り出しているところがスゴイ。ギターのトレモロリフと同等の存在感で、アタックの強い高音域の
民族楽器のトレモロリフが登場する。民族情緒にとどまっているバンドが多い中、民族楽器の導入によってサウンド効果を存分に発揮しているバンドとしては
Pagan Reignに敵うバンドは今のところ存在しないと言える。同路線フォークロアメタルの勢いが萎えてきていると感じる昨今、このバンドの存在は貴重だ。
初期からあまり変わり映えのない、ストレートでクサめな旋律を多用する楽曲でありながら、何故か毎回期待以上の作品に仕上がっているところは素晴らしい。
このバンドはクサいメロディを恥ずかしげもなく盛り沢山取り入れ、たっぷりの自信で豪胆に、最大のエネルギーで奏でるから、有無を言わさず納得してしまう。
また、ブラックメタルスタイルと、低音で朗々と歌い上げるスタイルを併せ持つヴォーカルが相当ウマい。絶叫しているのに煩わしさを微塵も感じさせず
欲求不満を瞬間解消してくれるかのような潔さと勢いがある。
ギターの質感がドゥーム的音像やブラックメタル的シャリシャリな音像のペイガンメタルをボクは好む。しかしこのバンドは例外で、非常にエクストリームな
ヘヴィメタル的音像でありながら、何故かボクのツボを突きまくる。尖ったエクストリームなギターをハイボルテージで刻んでしまうと、煩くて仕方ない筈なのに
このバンドの音はそんな音響でありながら、全く煩わしくなく、カッコいいと感じさせるから不思議だ。

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