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Rust in Peace / MEGADETH
失恋船長 ★★★ (2020-11-23 16:35:36)
結局、ジェフ・ヤングは一枚でバンドを去り、ドラムのチャック・ベラーも同じ道を辿る事になる。そこで新たに加わったのがマーティー・フリードマンとニック・メンザとなる。
前作で広げた音楽性をどう回収するのかと身構えていたら、今作はこちらの予想を上回る展開を見せる。インテレクチュアル・スラッシュな方向性に戻ったと印象付ける①に始まり、その流れを組む拘りの展開と正統性の強いメタルサウンドへの接近、その二つが高次元で融合、単なるメガデスらしさの復活に留まらない革新的な成長を見せる事に成功。特にマーティーの情緒あふれるギタープレイの数々、その旋律の美しさとキャッチーさは聴きやすさを誘発、それまで敬遠されていたファン層も開拓するエモーショナルなプレイによって、見事なほど、ムステインの持ち合わせていたメカニカルな要素と合致。その有機的な響きが、冷徹な機械的サウンドの中で熱い血潮を巡らせている。
ストレートなメタル的要素も増えたが、それが全くマイナスに働かないのも、ムステインとマーティーの相性の良さに尽きるのだが、リズム隊の強化も見逃せない充実度を誇り、全てにおいてスケールアップしているだろう。
刺々しい先鋭性と引き換えに手に入れたスタンダードな響き、前作があればこそなのかもしれないが、やはりマーティーの加入が素晴らしい相乗効果をもたらしたと思う。
彼なくして、ここまでギターオリエンテッドな作風にはならなかった。そして後続のスラッシュ勢にも、影響を及ぼしているのは間違いない。とにかく、ムステインとマーティーがここまで上手く機能するとは思っていなかった。

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