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Th1rt3en / MEGADETH
失恋船長 ★★★ (2020-11-26 17:19:09)
ようやく本分を取り戻したメガデスだが、早速、今作はその方向性を修正。ド派手がギタープレイはなりを潜め少々大人しくなった印象が強い。その分、メロディアスなパートを増量、聴かせる部分も強め立ち位置を変えた印象を受ける。
それでも、クリス・ブロデリックの目の覚めるような鮮烈なソロは健在、ワールドワイド指向を推し進めた現代のメガデスサウンドの確立と言う事なのだろう。
ワタクシ、如何せんマイナー貧乏メタルばかりを聴いているので、このメジャー感が恥ずかしいと感じる、おおよそ一般的には共感されない、感性の持ち主なのでご容赦願いたい。

個人的には初期衝動炸裂する1stに3rdの多様性を持ち込み、長年培った経験と現代的な整合性を用いり整理整頓した、お上品な暴力的サウンドとして受け止めています。
メガデスらしいと言うよりも、常にシーンの最前線で戦う男たちが取った新たなる手法が原点回帰だった。スラッシュ色が薄まり、正統的なメタル度が高まったという点では5枚目に近しいのだが、今作にはやんちゃなムステイン流儀がそこかしこに存在しているように思う。
全てはエモーションを込めて歌い上げるムステインの唄の変貌が、単なるスラッシュをやらせないという事だろう。かつての冷徹な感性よりも、より人間らしい熱情がここにはある。

貧乏耳のワタクシが聴いても、全時代のメタル層を迎え撃つには十分なサウンドメイクと楽曲を用意していると思う。バランス感覚に優れた柔軟な一枚ですね。

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