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Lucky Dog / CLIF MAGNESS
火薬バカ一代 ★★★ (2020-12-29 00:45:47)
ジェイ・グレイドン、グレン・バラードと結成し、デビュー作『A HEART FROM THE BIG MACHINE』(’91年)が日本でスマッシュ・ヒットとなったPLANET 3での活動や、様々なアーティストへの楽曲提供で知られるシンガー/ソングライターのクリフ・マグネスが、1st『SOLO』(’94年)以来、24年ぶりにリリースした2ndソロ・アルバム(’18年発表)。
雲ひとつない青空、パームツリー、アメ車、あと犬…と、わたせせいぞう感溢れるジャケットから想起される通り、クリフのクセのないハイトーンVoが伸びやかに響き渡る、ポップで爽快なメロディアスHRサウンドが心地良い1枚。前作がメロディ愛好家から「まるで青春映画のサントラのよう」と絶賛されていたことを踏まえると、変わらない魅力を湛えつつも、どこか過ぎ去った日々を懐かしむような郷愁が漂ってくる本作は同窓会映画のサントラ的趣きも感じられたり。
…なんて書くと、何やら後ろ向きで覇気に欠ける作品のように思われるやもしれませんが、どうしてどうして。アルバムのOPを飾るVAN HALENばりに溌剌と駆け抜ける①、歯切れ良く軽快に弾む④、ゲストVoのロビン・ベックが華を添える⑤等、要所に配されたHRナンバーがしっかりと気分をアゲてくれます。特にキャッチーなコーラスと哀愁のメロディに思わず合唱を誘われる⑧はアルバムのハイライトに推したい名曲。無論、「80年代にトレンディドラマかCMに主題歌として起用されてなかった?」と尋ねたくなるヒット・ポテンシャル充填120%な③、バグパイプを効果的に取り入れた⑥といったバラード系の楽曲の素晴らしさに関しては、今更言及するまでもなく。
前作を気に入った方なら迷わず買えよ買えば分かるさな1枚。前作を知らない方も是非に。
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